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手塚治虫が『ブラックジャック』『火の鳥』と同時期に生み出したキュートすぎる少女漫画『ユニコ』

2016年1月26日 09時50分

ライター情報:小西りえこ

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手塚治虫の『ユニコ』が今年40周年。
様々なキャラクターグッズや、LINEスタンプなどが発売されている。
手塚治虫『ユニコ』(リトルモア)

1976年に誕生した『ユニコ』。
このころの手塚治虫は『ブラック・ジャック』 『火の鳥』 『三つ目がとおる』 『ブッダ』など、とんでもない量の仕事を抱えていた。
にもかかわらずフルカラー連載の仕事を《手塚はなんの躊躇もなく引き受けてしまいました》(リトルモア版『ユニコ』上巻より)。

このラインナップを見てもわかる通り、この時期の手塚漫画は傑作揃い。
『ユニコ』は少女向けとはいえ奥深い物語だ。特にカワイイものが大好きな女子には是非読んでほしい。

オススメの理由その1、とにかくかわいい



『ユニコ』はサンリオが発刊していた少女向け漫画雑誌『リリカ』で1976年に誕生した。
(サンリオの自社キャラクターでは1974年にハローキティ、1975年にマイメロディとリトルツインスターズが誕生している)

また手塚は自らを「ディズニー狂い」と称するほどディズニーに影響を受けている。特にバンビは「80回いや100回以上観た」んだとか。(なんと手塚が描いたバンビやピノキオも存在する→『復刻版 手塚治虫のディズニー漫画 バンビ ピノキオ』

『ユニコ』はそういう背景もあり、サンリオっぽい要素もディズニーっぽい要素もある手塚漫画なのだ。

ストーリーは、毎回ユニコが記憶喪失の状態でスタートする。

「ぼく じぶんでじぶんが なんか わかんないの」
「どうしてここにいるのかもわかんないし」
「どっからきたのかも おぼえてないの」


美の女神ビーナスによる嫉妬というなんとも理不尽な理由で、毎回思い出をうばわれてさすらいの旅を続けるユニコ。
可愛そうな宿命を背負ったキャラクターなのである。二頭身なのに背中から哀愁がだだ漏れ。

ちなみに「かわいい」と「かわいそう」の語源は、同じ言葉(古語)「かはゆし」なんだとか。
『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』のピノコ、『リボンの騎士』のサファイア王子、『ジャングル大帝』のレオなどもかわいいだけじゃない、かわいそうな過去や宿命を背負ったキャラクターだ。

オススメの理由その2、カラフルで美しい



2015年春にリトルモアから出版された完全新版『ユニコ』
手塚没後に出版されたオールフルカラーのスコラ版を定本としている。
原画から最新技術でスキャニングしたとのことで、スコラ版・ソニーマガジンズ版に比べ色が鮮やか。判型がひとまわり大きいのも嬉しい。

ライター情報

小西りえこ

イラストレーター。趣味はiPhoneアプリを使ったらくがき。お笑い、音楽、カレーが好き。石川県金沢市出身。

URL:Twitter:@riekokonishi

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