今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

日本酒は混ぜてもいいんです。お酒のブレンドを解説

2013年2月27日 11時00分 ライター情報:杉村啓

日本酒の区分けは複雑です。何が悪いことで、何が悪くないことなのか、しっかりと把握するようにしたいです。
普段はあまり詳細を気にせず、味わって美味しいと思うお酒をのんびり飲むのが一番ですね。

[拡大写真]

2月26日に報道された浪花酒造の表示偽装問題はとても痛ましい、あってはならないものでした。でもさまざまなところを読んでいると、何が悪くて何が悪くないのかの線引きがあいまいになっているのかな? と感じられるような意見も目立ちました。なので、いったいどこが悪かったのかをちょっと解説してみます。

なお、お時間に余裕のある方は以前の記事を読んでいただけると、より一層理解しやすくなると思います。

『美味しんぼ』常識はもう古い!?  日本酒ってどう選べばいいの?

■そもそもお酒はブレンドするの?!

今回の事件で「今までは新酒に同酒の古酒などを2〜3%ブレンドしていたが、在庫がなくなったために醸造アルコールや糖類の入った安価な酒を混ぜた」という報道がなされました。そこで、「え?! 新酒なのに古酒を混ぜていたの?!」と思った方もいるでしょう。

お酒をブレンドすることには問題ありません。というか、意外とお酒の世界ではそういう例が多いのです。

例えばウイスキーを見てみましょう。「12年」と書いてあるウイスキーは12年前のウイスキーのみを瓶に詰めて売り出されたものと思いがちです。が、実はそうではありません。

このウイスキーの「12年の味」というのが決まっていて、ブレンダーの人がその味になるよう、さまざまな年のウイスキーをブレンドして、出荷するのです。だから毎年同じ味で、安定して「12年」が発売されるのですね。じゃあ12年というのは嘘なの? というと、これは間違いで、基本的には●年とついたものは、ブレンドしたウイスキーの中で一番新しいものの年数がつけられます。なので、12年と書かれていたら、12年よりも前のものしか使われていない、場合によっては20年とか30年とかもブレンドされているウイスキーになるというわけです。

お酒は発酵物です。発酵が絡むということは、全く同じような条件を整えていても、同じ結果が出るわけではないということでもあります。ましてや、去年の米と今年の米は100%同じものではないのです。実は、毎年同じ銘柄を同じ味に仕上げるのはとても大変なのですね。なので、少しブレンドして味を調整するということはあるのです。

別に話は古酒を混ぜるということに限ったことではありません。例えば「純米酒」を造ったとしましょう。たくさん造るので、仕込みタンクが複数あり、同じお米で同じように発酵させたとします。どんなに注意深く造ったとしても、タンクごとに味がちょっとずつ違っていたりするのですね。

ライター情報

杉村啓

醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。なんでも超丁寧に解説します。近著に『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)ほか。

URL:醤油手帖

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!

注目の商品