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新「ルパン三世」2話。絶賛の理由は、ルパンが悪いことをしないから?

2015年10月15日 10時00分 ライター情報:大山くまお
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30年ぶりのTV新シリーズ『ルパン三世』。第2話「偽りのファンタジスタ」は、作品の舞台となっているイタリアの国民的スポーツ、サッカーをめぐる物語だ。
原作:モンキー・パンチ(C)TMS

サンマリノのサッカークラブに所属するマウロ・ブロッツィは“サンマリノの至宝”と呼ばれるエース・ストライカー。しかし、ブロッツィには陰の部分があった。それがドーピングだ。

ブロッツィはドーピングの証拠をマフィアに握られ、「コパ・イタリア(イタリアのサッカークラブによるカップ戦)の決勝戦に出るな」と恐喝されてしまう。マフィアが秘密裏に買収した自分のチームを優勝させるためだ。

追い詰められたブロッツィは、ルパンに証拠を取り戻してほしいと仕事の依頼を行う。当初は相手にしなかったルパンだが、ふとしたことからブロッツィがドーピングに手を染めた理由を知り、条件つきで仕事を引き受ける。

ブロッツィがドーピングに手を染めた理由、それは持病によってほとんど見えなくなってしまった右目の視力低下を抑えるためだった。病の進行を遅らせるための薬に、ドーピング検査に引っかかる成分が入っていたのだ。

ルパンと次元はマフィアの邸宅に侵入し、首尾よくドーピングの証拠を盗み出すことに成功。ついでに追手のマフィアも壊滅させてしまう。盗み出した証拠をブロッツィに渡したルパン。しかし、片目がほとんど見えない状態のブロッツィは、練習でもゴールを決めることができなくなっていた。本当にそんな状態で試合をやるのか? と問いかけるルパンに、ブロッツィはこう返す。

「そこにゴールがある限り、俺は奪うまでさ」

ルパンがブロッツィに提示した条件とは――試合でハットトリックを決めることだった。それを見事に決めてみせるブロッツィ。ブロッツィのチームの勝利を見届けたルパンは、ニヤリ。抜け目なくトトカルチョで儲けていたという次第で一件落着。

今回の『ルパン』は人情話


今回はブロッツィの武骨ながらもまっすぐな気持ちを軸にした人情話のようなエピソードだ。「そこにゴールがある限り、俺は奪うまでさ」というブロッツィの言葉は、ルパンの盗みの動機とほとんど同じであり、二人の間にはかすかに友情も育まれている。

アクションシーンもほとんどなく、ルパンが盗み出すものも悪いマフィアから証拠の品を奪い取るぐらい。そのマフィアもあっという間に壊滅させられるほど弱く、ルパンの敵役というよりは脇役という表現がぴったり。「いつまで遊んでるつもりだ」と次元が繰り返しボヤいているが、ルパンにとってはヒマつぶしの一件だったようだ。
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ライター情報

大山くまお

ライター。著書に『野原ひろしの名言』『野原ひろしの超名言』(双葉社)、『名言力』(ソフトバンク新書)、『中日ドラゴンズあるある』(TOブックス)など。

URL:Fire Stone and Water

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