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「やすらぎの郷」第15週「夫婦はどちらが先に逝くべきか」中島みゆきの大合唱に涙を振り絞られる

2017年7月17日 11時00分 ライター情報:北村ヂン
これまで、脚本家の菊村栄(石坂浩二)と、かつてスターだった老女優たちを中心に展開してきた『やすらぎの郷』(テレビ朝日・月〜金曜12:30〜)だったが、

「長年テレビの現場を裏から支えてきた無名の人たちも、やすらぎの郷にはいっぱい住んでいる」

ということで第15週は、ビデオもCGもなかった……ドラマが生放送していたような時代から、テレビ美術界の職人として現場を支えてきた、ちのやん(伊藤初雄)と、かつてタイムキーパーをやっていたカメコ(長内美那子)という「名もなき」裏方夫婦の話。
イラスト/北村ヂン

定番の展開なのに引き込まれてしまう倉本マジック!


その昔、第1テレビで美術職人をやっていたちのやん。「やすらぎの郷」には「一時期でもテレビ局にいたものは入所する資格がない」とかいうルールがあったはずだけど……第1テレビって、テレビ局ではなく制作会社なのかな? まあいいか。

とにかく約半世紀ぶりに「やすらぎの郷」で菊村と再会したちのやんだったが、妻・カメコがガンで余命2〜3日と言われており、「夫婦どっちが先に逝くべきか」をずっと考えていた。

以前は「先に逝かれたらさびしくて生きていく自信がないから、絶対に先に逝きたい」と思っていたのだが、先に逝く方と残される方、どっちが辛いか考えた結果、「残される方が絶対辛い」「じゃあオレ、辛い方を引き受けてやろう」と考えを改めたのだという。

その言葉の通り、カメコをちゃんと看取った通夜の夜、追うようにちのやんも死んでしまう。

長年連れ添った夫婦のどちらか片方が死んだ後、残された方も追うように……みたいなエピソードは、ありがちといえばありがちだが、その定番展開にまんまと引き込まれてしまった。

死にゆくカメコのためにかつての仲間たちが集まって、好きだったドラマ『星の世界の洋子』のセットを再現してやる。そんな、古き良きテレビ業界を支えてきた美術職人たちの熱いプライド……的な話に気を取られていて、ちのやんまで死ぬなんていう展開は全然予想していなかったのだ。

考えてみれば、ちゃんと「夫婦どっちが先に逝くべきか」という前振りがあったわけだが、そこから別の話に目を向けさせておいての衝撃展開という巧みな流れは、さすが倉本聰というべきか。

……ちのやんの死が、前日の予告で完全にネタバレしていたのが若干残念だったけど。

菊村に語っていた言葉通りキッチリと妻を看取って、その翌日に逝ったちのやんに対し、菊村は「ちのやん、上手くやったな!」とつぶやいていたが、視聴者は「倉本聰、上手いなぁー!」と思わされたんじゃないだろうか。

ライター情報

北村ヂン

群馬県出身。ライター&イラストレーター。珍奇でバカでサブカルチャーなものが主な取材対象。「デイリーポータルZ」や「日刊サイゾー」などで執筆中。

URL:Twitter:@punxjk

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    いつも楽しみに見ているのですが、しつこい中島みゆき押しに興ざめな一週間でした。だいたいあの世代の老人がそらでファイト!を歌えるはずがない、いくらなんでも現実離れしすぎですね。

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