連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第22週「ツイッギーを探せ!」第126回 8月28日(月)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:渡辺哲也
「ひよっこ」127話「昔のまんまじゃいられないんだね、ひとは」
イラスト/小西りえこ

」127話はこんな話


早苗(シシド・カフカ)の調理した餅を食べながら、語り合う、あかね荘の人々。
時子(佐久間由衣)のツイッギーコンテスト応募に関して、重大な事実が発覚する。


応募締め切りが・・・


コンテストに応募すると意気盛んな時子。
まず、年齢制限について、早苗の永遠の25歳問題と重ねて語られる。
さりげにさりげに“応募規定”に関する話題を振っておいて、後から、衝撃の事実、応募締切を過ぎていた話に持ち込む。巧い、巧過ぎる。

さらに、なんとなく重なっているのが、早苗の25歳問題にかけて、お見合いを39回断られた件を、断られたのではなく、断るように仕向けているのでは説を語り合うところ。
その後で、時子が、ずっと自分を好きでいてくれる三男(泉澤祐希)を「解放」するためにも、スターにならないといけないのだと考えているエピソードが続く。
早苗も時子も、あくまでも相手が選択したことにしようとしているわけだ。
それは懐の大きさなのか、優しさなのか。
早苗の本心はまだわからないが、時子はどうしても、三男を友達以上には見られないんだなあ。もったいない。

さらに岡田惠和の技巧は、右手と左手で違う曲を弾くピアニストのようなことになる。早苗の話をしているときに、漫画家(岡山天音、浅香航大)と富さんが違うことを考えはじめていて、それが、応募締め切りを過ぎていることの発見だったということ。至近距離で同じ場所に存在している人たちが、違う話題に意識を占領されている状況を描くとは、高等テクニック過ぎる!  また、この時の漫画家ふたりと富さんの表情も絶妙なのだ。


どうなる、時子


三男を解放してあげたいと言う時子に、みね子は「昔のまんまじゃいられないんだね ひとは」と言って抱きしめる。
ミニスカートの風によって、徐々に徐々に、みんなの状況が変わっていっている。
ただただ、3人仲良かった頃にはもう戻れない。
そんな中で、なかなか女優としての芽が出ない時子は苦しい状況だろう。
せっかく一発逆転をかけようと思い立ったのに、応募締切が過ぎていたなんて。
でも終わりの、助川家の人々の様子を観ると、まだなにかありそう・・・。

星に願いを


流れ星に、「みんなの幸せを願ったの」という愛子(和久井映見)。
なんて、いい人なのだろう。
そして、流れ星に祈るというベタなシチュエーションが、和久井映見だから許容できる。

今日の漫画家


時子の決意にあまり興味なく、とりあえず言っとく感満載の「がんばってくだはれ」の「くだはれ」って言い方が漫画ちっく。
あと、「僕等が描いとんがはみね子さんの話ながでそこまで描けんちゅうか」と言って、「最近、停滞気味のみね子さん」というテロップ付きのみね子に「怒りますよ」とにらまれてしまう。
どこまでも期待に応えボケ続ける漫画家ふたりである。漫画家のスピンオフが観たい。
(木俣冬)