【その他の写真:一見するとベトナムの普通の町並みなのだが、よく見るとこの地域は漢字併記も多く、中国っぽさもやや感じる。】
そんなホーチミンでベトナムらしい雰囲気を味わえるのは、中華街とされる地域ではないだろうか。日本のガイドブックではチョロンと呼ばれるエリアで、ホーチミンの華人のほとんどが暮らすとされ、歴史を紐解けば1780年前後にはこの中華街が形成されていたようである。
中国系移民が移住してきたことから、この地域は漢方薬店や中華料理店が多い。
そんなチョロンは夜になれば飲食店や商業施設、夜市のようなものが煌々と明かりを灯し、たくさんのベトナム人が押しかけ、食事や買い物を楽しむ。その喧騒は日本人がイメージするベトナムらしい姿により近いこともあって、ホーチミン市で最もベトナムらしいのがこのチョロンだと感じる。
ただ、この地域は人が集まることと、中間層未満の経済力の世帯が集まる8区が隣接していることからホーチミンの中でも際立って治安が悪いとされる。命にかかわる危険性はあまりないが、スリや置き引きなどは日常茶飯事であるとされるので、訪問の際は周囲に十分に注意を払いたい。
【執筆:高田胤臣】