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Chara

Chara

2007年03月01日 掲載

Chara   インタビュー

  • Excite:正式なオリジナル・アルバムとしては、久し振りのリリースになりますね。

  • Chara:4年経っちゃいましたね。

  • Excite:9月のシングル『世界』のインタビューでは「生命力溢れるアルバムを作りたい」と仰っていましたが、あの時点でアルバムの全体像は見えていたんですか?

  • Chara:今回のアルバム収録曲を仕上げていこうっていう段階でしたね。色んな方とのコラボレーションから作っていったので、スケジュールを調整しつつ、最終的なトラック・ダウンをやって。その後のマスタリングは、そう、今回、関わったプロデューサーやエンジニアが「次の患者さーーん!」って感じで1曲ずつ入れ替わり立ち替わり来てくれて。最後は、みんな一緒に出来上がったアルバムを真っ暗な部屋で聴いたんです。

  • Excite:曲ごとに色んな方とやっているだけに音のバランスが様々だったでしょうし、そういう音の鳴りは非常に重要ですよね。

  • Chara:そうなんですよね。そういうマニアックな話はなかなか質問されないんですけど(笑)、そういうことって実は重要なんですよね。曲それぞれ音の鳴りに個性があるので、それをまとめるとなったら、やっぱり、こだわりますよね。

  • Excite:今回は打ち込みのダンス・トラックやエレクトロニカの要素がフィーチャーされているだけに、繊細な音の鳴りは大きなポイントだったりもするでしょうし。

  • Chara:今回は、結構打ち込みを使おうと思っていたのね。前のレコード会社さんで後半やった作品は、デモテープに近い作品を目指すっていう、Charaの夢の一つを叶えるためにシンガー・ソング・ライター的な音作りになっていたわけですけど、ウィスパー・ヴォイスも多用していたし、オーガニックなイメージや家庭があって子供もいるっていう環境もあってか、当時のエコ的な風潮と結び付いてしまって。それがすごくイヤだったんですね。そういうものって、シンガー・ソング・ライターだったら普通に出来ることだし、前のレコード会社から今のレコード会社に移籍するまで無所属の期間が2年あって、その間にインディーズで『SOMETHING BLUE』っていう、暗い作品を作ったこともあったので、今回のアルバムでは色んな人と調和しつつ、妥協せずにお互いの才能を最大限に引き立たせた作品を自然と作りたくなっていったんですよ。それが“生命力のあるアルバム”っていうテーマになったんですけど、出来上がった作品はそのイメージ以上の内容になったんじゃないかなって思っていますけどね。

  • Excite:それから今回のアルバムは’91年の『SWEET』、’97年の『JUNIOR SWEET』に続く“SWEET”シリーズの3枚目ということなんですが。

  • Chara:そうそう。それも考えていた。それと同時に「デビュー・アルバムを作るんだ!」みたいな感じもあって、ジャケットも『JUNIOR SWEET』の時にやってもらった友達のTHROUGH.にお願いしたんですけど、私ね、かつて出したデビュー・アルバムのジャケットが音と合ってなくて、嬉しくなかったんですよ。だから、ジャケットに関しては、もう一回、「デビュー・アルバムを作るんだ」っていう感じもありつつ、今回は“結婚”という言葉に結びつくような、神聖で責任があるような、いい言葉を探していて。このアルバムって、それぞれのアーティストと結婚じゃないけど、そのコラボレーションは結婚みたいなものだし、音楽と結婚したCharaっていうイメージで、秋頃に『UNION』って言葉を思い付いたのね。

  • Excite:今回、ここで結びついたのはSTRAUSSこと橋本竜樹さんや亀田誠治さん、Fantastic Plastic Machineの田中知之さんという3枚のシングルで登場した方々だったり、ブレイクビーツ・ユニットのLOW JACK THREEだったりと、新しい顔ぶれになっていますよね。

  • Chara:まぁ、全員が新顔というわけではなく、バランスはちゃんと考えているし、かつてご一緒した方々とも成長したうえで音楽を作ることが出来たので、発見は多かったですよね。

  • Excite:渡辺善太郎さん、Mondo Grossoの大沢伸一さんのお二人は久々の再会になりますよね。

  • Chara:そうそう。善ちゃんとは今まで結構やってきたんだよね。この間、久々に会ったら、「今度、なんかユニットやりたいね」って言う話になったし、大沢くんも以前一緒にやった時から成長して、音楽性も変わっているから。元々、DJとして有名ですけど、彼はベーシストとして、音楽的なことを理解している人だし、F.P.M.の田中さんも大沢くんと同郷で同じくベーシストだし、亀田さんもベーシストだったりするし…なんだ私、ベーシストと相性いいじゃんって。そういう微妙なやりとりが出来る人たちの制作現場は、すごい心地いいですよ。

  • Excite:そういう意味では新顔のLOW JACK THREEもトラック・メイカーではありつつ、ライヴも出来る人たちですからね。

  • Chara:最初はどうかなと思いつつ、まずは人が大事だから、一回、私の家で会ったんですけど、3人ともいい人たちで、すごくやる気のあるところがよかったし、年がすごい下だったりすると、向こうが遠慮しちゃうことがあって、それだとなかなか進めなくなっちゃうんですよね。その点、彼らは私のそういう気持ちを分かったうえで取り組んでくれたし、今回のアルバムには入れなかったんだけど、もう1曲作っている曲があって、それもすごくいいのね。

  • Excite:今回、全体としては『JUNIOR SWEET』の続編ということで、メロディがスウィートだったり、想像力を喚起させるようなドリーミーなアレンジに仕上がっていますよね。そういうものでありながら、裏テーマは“不安”だったりするんですよね?

  • Chara:そう。夢だったり、大切なものがあると、同時にそれをなくしたくないっていう不安もあったりすると思うんですよ。しかも、その不安って、一生ずっとあるものなんだなって。そのバランスを取るために、私にとっては音楽が大切なんですよね。

  • Excite:そういう気持ちの揺れが聴き手に刺さるような気もしますし、このアルバムの美しい瞬間だったりするのかな、と。

  • Chara:うん、言ってる感じは分かる気がする。やっぱり、私たちは成長していってしまうんですよ。そこで未完成でいたいっていう気持ちもあって、壊したいっていう衝動もある。成熟することって、すごく楽しみな反面、怖くもあるんですよ。でも、やっぱり、成熟していくと、いいことが沢山あるんですよね。だから、不安とはバランスを取って戦っていけばいいの。その一生懸命さが切ないっていうことはあるよね。大人になっても一生懸命かよ!みたいに思うかもしれないけど、それって、音楽だけじゃなく、きっと、映画とか他の分野も同じで、「こんな大人が集まって、何やってんだ!」って感じなんですよ。「でも、好きなんだよ!」っていう(笑)。そういう志でやることが私たちの責任なの。

  • Excite:責任ですか。

  • Chara:そう、責任っていうことは今回考えましたね。今までのファン、あと、これから出会う見えないファンのことを思って、歌詞の言葉使いも考えたんですよ。言葉って、微妙なバランスで印象が変わってくるし、今回は「微笑むこと」や「イメージすることの大切さ」っていう伝えたいテーマがあったんですね。一つの活動として、すごく分かりやすく、「この今の日本の教育は…」っていうことを打ち出す人もいますけど、私の場合はすごく身近なところから始めていこうかな、と。しかも、私は音楽っていう表現が得意だから、その表現でやることをやる役割があるし、やっぱり“愛が大切だよね”っていうことですよね。4曲目の「Tear Drop」を書いていた時は、確か、学校のいじめ問題が盛んに取り上げられていて…人間、無視をするってことは一番いけないことだなってすごく感じていて、それは学校だけじゃなく、家庭内でもそうだし、そういう身近なところで接する愛っていうことをメッセージにしたかったし、今回はひらがなを結構多く使っていたりもするんですよ。ひらがなの方が、イマジネーションの広がりがあったりするじゃないですか。そう思いません?

  • Excite:漢字が多かったりすると、硬くなったり、構えちゃうこともありますよね。

  • Chara:ね、それを書く人物像も出てきますよね。逆にひらがなだと、敷居が低くなって、入りやすくなったり、不思議な感覚が出てきたりもするでしょ。そういう意味では16年やってきても、まだまだ追求していける色んなバランスがあるなって。でも、早いよね、もう16年も経っているなんて。続けるのって、「結構大変なんだな、私って頑張っているな」って、自分をちょっと褒めたりなんかして(笑)。生きていると、山あり谷あり、色々あるよね。でも、私は負けないぞって、結構思っていますね。

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