
2012年07月04日 掲載
Excite:「きらきらひかれ」は、ラモーンズっぽいビートが印象的なアップテンポの曲ですね。これだけ速い曲というのは、二人体制になってからは初ですよね。

橋本:はい。

福岡:これはアジカンの後藤さんがプロデュースして下さったんですけど、私たちが「どういう曲やりたいですか?」って訊いたら、「速い曲やりたい」って。「じゃあ、作りまーす」って感じで。
Excite:これまでのチャットモンチーは“頑張れ、私”っていうイメージの曲が多かったと思うんですが、この曲は自分の周りの人たちとか、未来に向けてエールを送っていますね。どういう心情から生まれた曲ですか?

福岡:子供向けの曲を作りたくって。童謡とか絵本のイメージなんですよね。
Excite:歌詞が全部ひらがなですもんね。

福岡:子供もわかるし大人もわかるっていうものをいつか出来たらなって思って、絵莉子に歌詞を渡してあったんです。で、速い曲やろうよってゴッチさん(後藤)と決めた時に、絵莉子が「できたよ」って持ってきたのに、この歌詞がついてた(笑)。

橋本:全部ひらがなの歌詞がおもしろいと思ったし、そういうのをめっちゃ速い曲に乗っけたらもっとおもしろいかなーと思って。コントラストの妙というか。そしたらすっと乗ったから。
Excite:歌詞の内容もわかりやすくて、広く、かつ確実に“伝えたい”という気持ちがあらわれているように思いました。特に<あたりまえなどひとつもない>っていうフレーズは、震災の経験から出てきた言葉なのかなと。

福岡:はい。あれ以降は絶対的に変わったなぁと思ってます。私はやっぱり子供のことが凄く気になっていて、震災のことだけじゃなくて、全般的に子供の置かれてる状況が気になる。せっかく音楽やってるんだから、そういうことに向けた曲を作ってもいいんじゃないかなぁと思ったんですよね。
Excite:それは“音楽家の使命”として?

福岡:そこまでのものではないですけど、音楽が国境越えるんだとしたら、年齢も関係ないんじゃないかなと思って。そういうつもりで書いた曲なら伝わるかもしれないし。かといってあんまり直接的に言おうとは思ってないんですけど。意味わからなくても歌っていい曲だったらいいなって。子供の歌って本来そういうものですよね。
Excite:そうですね。例えば「アンパンマンマーチ」とか、まさしくそういう曲ですね。改めて歌詞を読むとぐっとくるものがある。

橋本:うんうん。

福岡:“てんどんまん”の歌も結構凄いんですよ。あの歌ホントは長いんですけど、聴いてみてください。

橋本:暗いの?

福岡:ううん。暗い方のやなせ(たかし)さんじゃない。あれ聴いたら、やっぱりこの人凄いなって思う。深いこと言ってるような、言ってないような、でも言ってるような…って感じなんですよ。
Excite:私も聴いてみますね。ちなみに“カツドンマン”と“てんどんまん”はフタが開いてないとどっちがどっちだかわかんないですね。

橋本:キャハハハ。確かに、ぱっと出てこられたらわからないですねぇ(笑)。
Excite:(笑)。話戻しますけど、「子供が気になる」っていうのは、日本がこんなことになっちゃって、これからを生きる人は大変だなって気持ちから?

福岡:別にそういうんじゃなくて、日本人として震災のことは気になるんですけど、なんというか…元々私、大学が教育大学で、学校の先生になるための学校なんで子供たちと触れ合う機会があったというのが根底にあって。とにかく“子供が笑顔になること”が大人も嬉しくなることなんじゃないかと。そんな子供の力を信じた瞬間に書いたんです。