アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| ユニコーンツアー2009 蘇える勤労の日々 | 2009.05.22(FRI) at 日本武道館 |
3月5日からスタートしたユニコーンの【蘇える勤労】ツアー。アルバム『シャンブル』を片手に、蘇った彼等が16年振りにどんなステージを見せてくれるのか――そんな想いで全国各地の会場には実に多くのファンが集まった。昔からの常連さんはもちろん、解散後ファンになった、リアルタイムを知らない世代、さらには「WAO!」が大好きなちびっ子達まで、どの場所にも幅広い年代が集い、大いに盛り上がったようだ。ということで、そんな盛り上がりを観るべく日本武道館でのライヴへと足を運んだ。
オープニングは、幕に浮かび上がるメンバーのシルエットが実に感動的な「ひまわり」。思わず客席からはどよめきが起こる。続けて「スカイハイ」、そして懐かしの「おかしな2人」。うしろのビジョンに5人の姿が映し出され、さらに歓声が上がった。3曲を終え、全員でまずはWピース。ファンも同じくWピースで応える。「この3曲で燃え尽きたんで、このあとはチャーオツをごしにー(お茶をにごす)で(笑)」と弱気な(奥田)民生のMCでひと呼吸おいた後は、「ボルボレロ」「オッサンマーチ」「キミトデカケタ」などEBI、テッシー(手島)、川西のボーカル曲をメインに演奏が続く。このバンドの強みの一つは何と言っても全員が歌う、というところ。その間民生や阿部は、ベース、ドラム、ギターといったパートを受け持つのだが、これって他のライヴではなかなか見かけない荒業。誰かに比重が偏るのではなく、常に横並び感を大切にする彼等ならではだろう。
12曲目の「最後の日」では、歌詞を間違え「間違えた!」と歌いながら苦笑する民生。「PTA~光のネットワーク」ではポニョのぬいぐるみと共に歌う阿部。間奏でラッパーと化し走り回る川西とEBI。続く「WAO!」ではライトハンドでソロを弾きまくるテッシー。あちこちに予定調和の起こり得ないような仕掛けがしてあって、観る方はワクワク感が途切れない。どんなくだらないことでも、どんなに高度なことでも、同じテンションでやるところが彼等なのだ。
だから時にはその演奏で圧倒もしてくれる。16曲目「R&R IS NO DEAD」は何度聴いても胸が熱くなる、突き上げるようなパッションを感じる名曲だ。また、かつてサポートして参加してくれた古田たかしを迎えての「ヒゲとボイン」では昔のライヴでやっていたのと同じ、ラストに星が流れる演出にホロリとさせられたり。最後はアルバム『シャンブル』でも締めくくりの曲となっている「HELLO」。新旧の曲が見事に混ざり合った本編となった。
アンコールは、もはやこれを観ずには帰れない、阿部の「人生は上々だ」。途中、中断して他のメンバーの物真似をしていると、早く演奏に戻ろうと催促するメンバー。すると「大丈夫、俺は時計を持ってるんだ(笑)!」と言って譲らない阿部。その攻防戦に、客席は大爆笑だった。そして再度登場しての「すばらしい日々」は、やっぱり胸に染みた。これからはもっともっと彼等のこんなライヴが観られるんだな――この日はもちろん、このツアーに参加した人達はみんな、そんな幸せな気持ちで帰途についたに違いない。
(取材・文/向出早苗)