コンプリート・シングル・コレクション『POWERS OF TEN』リリース。10年の想いを語る
| キマグレンTOUR2009 -KID IN THE SKY- | 2009.10.25(SUN) at Zepp Tokyo |
やってきました、キマグレン秋の全国ツアー「キマグレンTOUR2009 -KID IN THE SKY-」ファイナル!新潟、高知、福岡、宮崎、広島、名古屋、大阪、札幌、仙台と、2009年10月25日のZepp Tokyo。大勢のキマグレンジャーでパンパンになった場内は、この一ヵ月を走り抜けてきた二人のゴールを祝うかのようなムード一色だった。
オープニングアクトには来年のメジャーデビューが待たれるRAKEが登場、シックにアコースティックで数曲を披露し、会場をほんのり秋色に染めてくれた。あたかも今から降りそそぐ真夏の太陽とのコントラストをより明瞭にするかのように!
そしていよいよキマグレンが登場。ISEKIはアロハにハーフパンツ、KUREIはタンクトップにデニムのハーフパンツ、そして二人とも当然裸足! 上半身裸のバンドメンバーもいて、ステージ上は完全に海、夏、真夏! 熱い砂浜を感じる! Zepp Tokyoに逗子海岸降臨!!
「すごい、あたたかいね。人が待っていてくれるって幸せなこと」とKUREI。キマグレンのライヴは、海のきらめきを感じさせ、気分を今年の夏に帰してくれる。そして、これからキマグレンが見せる10月の海をドラマチックに感じさせる曲の数々! 「HELLO」「海岸中央通り」のキマグレンが得意とするラテンのリズムとグルーヴが気持ちいい!
今回のツアーファイナルは、キマグレン・バンド(通称:L.B.H.)がまた素晴らしい仕上がりだった。二人の歌をさらに引き立てる、昔から行動を共にしてきたバンドは、時を重ねた友愛の結晶。どんな曲調にチャレンジしてもキマグレン・サウンドにしてしまう、誰一人欠かせない音家族たち。会場に充満するISEKIの声を連隊でバックアップしていた。
KUREIの心がその声をダンクシュートのように心に叩き込む。二人のコンディションはこの一ヵ月のツアーの疲れなどまるで感じないほど最高で、ISEKIの声はいつにも増してはるか遠くまで伸び、観客の心の奥までがっちりホールド。そしてKUREIのキャラクターが歌詞をより深くまで届ける。オーディエンスを煽るKUREIのしなやかでバネのある動き。バネとしなやかさがあるのはISEKIの声も同様に。明らかにバージョンが上がっている。
「あったまってきた! 10月から9月8月に戻ってきた!! 夏、匂ってきましたか? 行くぞ、Zeppーっ!!!」。会場が8月の色に変わっていく。体全体で曲を表現するKUREIの動きを見て気分が駆け上る、ISEKIの声で胸が熱くなる! 「愛NEED」「君のいない世界」「LIFE」と、たたみかけるヒット曲の数々、アレンジも灼熱の8月、物足りなかった2009年夏の熱情を取り戻すかのように……! と思えば、夜明けのような光が加わる以外は手を加えないシンプルな演出でより深く歌詞の内省的な色合いを打ち出すような場面「泣くし者」、水を打った静けさのなか二人の声だけが純粋に響いて波のように会場を覆った感覚「天国の郵便ポスト」と、ただ情熱にまかせるだけじゃないキマグレンがそこにはいた。
「デビューして一年半が怒涛のように過ぎて、どんな気持ちで今回のツアーを回るのか一人でいろいろ考えてしまった。何のために音楽をやっているんだろうという気持ちも含めて」と言うKUREI。「でも、まわっていくにつれて、幕が上がる度にみんなの顔を見て、これが自分たちのやる意味なんだと思えた。会えてうれしいというこの気持ちに慣れたり飽きたりしたくないって思った。けど今日、そんな心配は要らないと確信しました。だから次の曲を送ります」と、「また好きになる」に思いを託して贈ってくれた。
きっともっと彼らを好きになる場面に、これからも出逢っていくに違いないと思えた。そんな束の間の夏、この日Zepp Tokyoで巡り合えた真夏の10月を胸に熱く刻んで、オーディエンスはまた次の夏(=キマグレン)を待ち遠しく家路に向かったのではないだろうか。
(取材・文/田邉香菜子)