老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、離婚した場合の夫の年金への影響について解説します。

■Q:離婚すると夫の年金は減るのでしょうか?
「離婚した場合、夫が受け取る年金は減ると聞きました。本当でしょうか?」(60代女性)

■A:離婚しただけで年金が減るわけではありませんが、年金分割をすると夫の老齢厚生年金が減る場合があります
離婚しただけでは、夫が受け取る老齢基礎年金や老齢厚生年金が自動的に減額されるわけではありません。

ただし、離婚時に婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦で分け合う「年金分割」を行った場合は、夫の将来の老齢厚生年金が減り、その分が妻の年金に反映されることがあります。

年金分割には、夫婦の合意によって分割割合を決める「合意分割」と、第3号被保険者(専業主婦など)だった期間を対象とする「3号分割」があります。

3号分割は、2008年4月以降の第3号被保険者期間について適用される制度で、夫の同意がなくても請求できます。

なお、年金分割の対象となるのは厚生年金の報酬比例部分であり、老齢基礎年金は対象になりません。

一般的には、婚姻期間中の収入が多かった側の厚生年金記録が、収入の少なかった側へ分割されます。そのため、収入が多かった人は将来受け取る老齢厚生年金が減る可能性があり、収入が少なかった人は増える可能性があります。

実際にどの程度年金額が変わるかは、婚姻期間や夫婦それぞれの厚生年金加入記録によって異なります。離婚後の年金額が気になる場合は、年金事務所で年金分割後の見込み額を確認するとよいでしょう。


監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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