老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、遺族年金を受け取りながら生活保護を利用できるのか知りたい方からの質問です。

■Q:遺族年金は非課税ですが、預貯金が多くても生活保護は受けられるのでしょうか?
「遺族年金は非課税と聞きました。現在は預貯金もありますが、将来の生活費が少し心配です。遺族年金を受け取っていれば、預貯金があっても生活保護を受けられるのでしょうか。それとも、まずは預貯金を使わなければならないのでしょうか」(Rさん)

■A:遺族年金は非課税ですが、預貯金などの資産がある場合は、原則として生活保護を受けることはできません
ご認識のとおり、遺族年金は所得税や住民税がかからない非課税の年金です。

しかし、生活保護を受けられるかどうかは、税金とは別のルールで判断されます。収入だけでなく、預貯金や不動産などの資産、働く能力、扶養を受けられるかどうかなどを総合的に確認したうえで決まります。

生活保護制度には、「利用できる資産や能力などを生活のために活用しても、なお生活に困窮する場合に保護を行う」という「補足性の原理(生活保護法第4条)」があります。そのため、十分な預貯金などの資産がある場合は、まずそれを生活費に充てることが求められます。

また、遺族年金は税法上は非課税ですが、生活保護制度では収入として取り扱われます。

そのため、生活保護を申請した場合は、最低生活費と遺族年金の受給額を比較して支給額が決まります。
遺族年金だけでは最低生活費に届かない場合は、その不足分が生活保護費として支給されます。一方で、遺族年金だけで最低生活費を賄える場合は、生活保護の対象にはなりません。

なお、生活保護では保有できる預貯金額を一律に定めた基準はなく、世帯の状況や生活実態などを踏まえて個別に判断されます。

生活費や今後の資金繰りに不安がある場合は、1人で悩まず、お住まいの市区町村の福祉事務所や社会福祉協議会に相談してみるとよいでしょう。生活保護だけでなく、生活困窮者自立支援制度など、利用できる制度を案内してもらえる場合があります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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