「今さら聞けない」バイクに関するさまざまな疑問や不安に、バイクライターがやさしく回答する本連載。今回は、「タイヤ」に関するお悩みです。
タイヤ交換の目安がわからない。(男性/51歳)
○バイクのタイヤを長持ちさせる秘訣
前編では交換が必要なタイヤの見極め方や、フレッシュなタイヤの重要性などを解説しましたが、後半はタイヤを長持ちさせる方法を紹介します。
ご存じのとおり、バイクのタイヤはゴムでできています。さまざまな素材の配合や補強材を入れるなどして強靭に作られていますが、やはりゴムという物質が持つ弱点もあり、高温や多湿のほか、太陽光による紫外線や空気中のオゾンで劣化してしまいます。雨ざらしで強い直射日光が当たる場所で保管すれば、それだけ寿命は短くなると考えてください。
タイヤはアスファルトからの熱を受けることを繰り返して劣化をしていきますが、ゴムは適度に動かしていた方が弾性を保つという性質を持っているため、放置期間が長くなると硬化や変形、ヒビが発生しやすくなります。適度にバイクに乗ることで分子が動かされて活性化するわけですが、これはタイヤ以外のゴム部品やスポンジ、電装ハーネスなども同様です。「機械は動かさなければ壊れる」というのは、こういった原因があるからです。
また、泥やオイル、ブレーキフルードなどの付着もタイヤを痛めるため洗浄が必要です。酸やアルカリ性の洗剤はゴムに悪影響を与えるため、薄めた中性洗剤を使い、最後は水でしっかりと洗い流します。タイヤワックスはツヤも出て紫外線などを防ぐ効果もありますが、トレッド(接地面)に付着すると滑るのでおすすめできません。どうしても使いたい場合はウエスに少量含ませ、サイドウオールからはみ出ないように塗り込んでください。
最後に必ず実践してほしいのは定期的な空気圧チェックです。指定された空気圧が入っていれば、そのタイヤの持つグリップ力やハンドリングなどの性能を発揮できますが、極端に低ければ性能は低下し、過度の変形と発熱をするため、タイヤ内部の劣化とトレッドの摩耗を早めてしまいます。空気はゴム分子の隙間から徐々に抜けていくため、最低でも1カ月に1回はチェックすることをおすすめします。定期チェックの習慣が身につけば、パンクなどの異常にも気がつきやすくなります。
そのほか、空気の代わりに窒素ガスを入れる方法もあります。窒素の充填はコストがかかるし、大気の成分は約8割が窒素なので無意味だと思うかもしれませんが、空気が抜けにくくなることで偏摩耗やひび割れを防ぎ、タイヤ内の酸素が減らすことでゴムやホイールの酸化を予防できます。
タイヤはコンディションを丁寧にチェックし、急加速や急減速、過剰な積載などの負荷をかけないようにすれば長持ちさせることができますが、やはりゴム製品なので10年以上使えるものではありません。外見では状態がよさそうに見えても内部で劣化が進んでいることあるため、長くても5年以上経過したものは交換した方がよいでしょう。
津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら











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