高たんぱく質製品の市場がかつてない盛り上がりを見せている。
かつてプロテインはアスリートやボディビルダーなど、一部「ガチ勢」のためのものだった。
いま圧倒的な支持を集めているのがダノンジャパンの「オイコス(OIKOS)」。今回は同社マーケティング部シニアブランドマネージャーの森祥平さんに、市場急伸の背景や商品開発の舞台裏について話をうかがった。
○▼プロテイン市場は10年で3倍に! ポイントは日常に溶け込む「手軽さ」
――まずは、高たんぱく質製品市場の現状について教えてください。
私たちが参考にしている富士経済グループの市場調査レポートによると、プロテイン市場自体はかなり伸びていて、この10年間で約3倍。2032年には3800億円規模になるとも見込まれています。
なかでも特に成長率が高いのがヨーグルトやドリンクといったカテゴリーですね。2015年頃は市場全体の13%程度しかなかったのが、2032年にはその倍くらいにまで大きくなると予想されています。
――なぜ、特にヨーグルトやドリンクが伸びているのでしょうか?
やはり手軽に生活に取り入れやすい形態だからだと思います。プロテインを摂る人の裾野がすごく広がっていて、昔はマッチョな人たちが中心だったのが、今は若者から高齢者世代まで、みなさんがたんぱく質を意識されています。その結果、日常生活で身近なヨーグルトやドリンクが選ばれやすくなってきたのかな、という気がしますね。
――この10年で、消費者の意識はかなり大きく変わったんですね。
健康意識の高まりはもちろんですが、大きなきっかけのひとつとなったのはやはりコロナ禍だったと思います。急に「運動しなきゃ」という意識が多くの人に芽生えて、宅トレ動画や散歩がブームになりましたよね。あの時期に日本人の運動や健康に対する意識がガラッと変わって、それに紐付いてたんぱく質の重要性も浸透したんだと思います。
あとはSNSの影響も大きいですね。10年くらい前からYouTubeなどで、若者が憧れるような格好いいボディメイクを発信するインフルエンサーの方々が増えました。そこからさらに「動ける体」への関心が広がって、今はランニングをはじめ誰でもできる競技を生活に取り入れることがイケている、という感覚になってきている気がしますね。
○▼「1日60g」のハードルは高い! だからこそ大事な「分散摂取」
――食事から十分なたんぱく質を摂るのは意外と大変で、日本人は基本的にタンパク質が不足しているという話も耳にします。
そうですね。運動習慣がない方でも「体重×1g」くらいの摂取が目安と言われていて、例えば60kgの人なら1日60gのタンパク質が必要なんです。これは実は結構大変で、生の鶏むね肉100gを調理して食べても、摂れるタンパク質は20gちょっと。3食しっかり食べてもなかなか目標には届きません。
特に朝ごはんはパンやコーヒーだけで済ませてしまうことも多く、タンパク質が不足しがち。しかも、寝ている間はたんぱく質が補給できないので、朝は体内のアミノ酸が欠乏した状態です。だからこそ、朝に手軽にたんぱく質を摂れるヨーグルト製品などのニーズが高まっているのだと思います。
――タンパク質の摂り方についても、何かコツがあるのでしょうか?
私たちは「分散摂取」が大事だと考えています。一度に大量に摂るのではなく、3回、5回と分けてこまめに摂る。でも、出先でパウダーのプロテインをシェイクするのは大変ですから、コンビニで買ってすぐ飲めるドリンクや、食事に一品足しやすいヨーグルトが日常の分散摂取にもぴったりなんです。
○▼「オイコス」の転換点と、新製品「オイコス PRO」のこだわり
――市場の成長とともに、「オイコス」ブランド自体の売上も順調に伸びているのでしょうか?
おかげさまで、ブランド全体で8年連続2桁成長を続けています。実は2015年の発売当初は、今と違って白いパッケージで「小腹を満たす」というコンセプトだったんです。
今の黒いパッケージにリニューアルしたのは2019年。「ジブン、追い越す。」というタグラインをスタートさせて、スポーツや何かにチャレンジする人をサポートするブランドに舵を切りました。
当時は社内でも「ヨーグルトなのに黒?」という議論もあったようですが、結果的にこのおかげで目立ちましたし、ブランドイメージとも合致して、多くの方に支持いただけるようになりました。
――今年発売された新商品「オイコス PRO プロテインドリンク」は、たんぱく質が25gも入っていますね。
従来のドリンクは18gでしたが、もっと運動強度の高い方にも満足いただけるよう、このサイズ感で25gを実現することにこだわりました。実はこれも、技術的には結構ハードルが高かったんです。たんぱく質を増やすと、どうしても独特の粘り気や粉っぽさが出てしまう。開発チームには何度も試作を作ってもらって、どうすればさらっと美味しく飲めるかを追求しました。
ストローも少し太めにしているんですよ。太さを変えるだけで口当たりが全然違って、飲んだ感じもまろやかになるんです。反響も想定以上で、発売後のドリンク全体の販売本数は前月比で約1.8倍になりました。プロテイン飲料としての認知もさらに広がっていると手応えを感じていますね。
○▼「高吸収」という新しい価値を、すべての動く人へ
――今後の製品展開や、市場の展望について教えてください。
今後はさらに高齢化が進んで、いかに健康寿命を延ばすかという意識が高まっていくはずなので、そうなると、たんぱく質の重要性はますます生活に定着していくと思います。
「オイコス」は身体を動かすすべての人を応援したいというブランドです。本格的なトレーニングをしている方だけでなく、あえて階段を使おう、一駅分は歩こう、といった日々のちょっとしたチャレンジをしているすべての方が対象です。
そして、どれだけ優れた栄養設計でも、美味しくなければ続けられません。「たんぱく質を摂るならやっぱりオイコスだよね」と真っ先に思い出してもらえる存在になれるよう、これからも味わいやフレーバーも含めて、毎日の生活に寄り添える製品を開発していきたいですね。











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