北朝鮮の住民が利用するスマートフォンで、世界的な人気を誇る戦略ゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」をほぼそのまま模倣したとみられるゲームが利用されている実態が明らかになった。米政府系放送のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、中国のSNSなどで公開された映像を基に報じた。
報道によると、中国のSNS「小紅書(RED)」に投稿された映像には、中国・遼寧省の中朝国境地帯で入手したという北朝鮮製スマートフォンが映っている。端末を起動すると、「花園(ファウォン)」のロゴが表示され、外部インターネットには接続できない北朝鮮独自のイントラネット専用端末であることが確認できる。 この端末に搭載されていた「城塞防衛戦」と呼ばれるゲームを起動すると、フィンランドのゲーム会社「Supercell」が開発した人気タイトル「クラッシュ・オブ・クラン」と酷似した画面が表示された。木目調のロゴデザインや、矢が刺さった盾のアイコン、キャラクター配置などは原作と極めて類似しており、ゲームデザインを事実上流用したものとみられる。 画面下部には「本製品はソフトウェア保護法の保護を受けます」と表示される一方、接続を試みると「サーバーに接続できません。ネットワーク状態を確認してください」との警告が現れ、ゲームは終了した。 さらに、中国の動画投稿サイト「bilibili」に公開された、昨年北朝鮮を訪れた中国人クリエイターの映像では、北朝鮮住民とみられる女性が実際に「城塞防衛戦」をプレーする様子が確認された。画面には「参加中:4万2329人」と表示されており、数万人規模の利用者が北朝鮮国内ネットワーク上でリアルタイム対戦を楽しんでいる可能性がある。 ただ、オンラインゲームでは一般的な自由入力式チャットは、認められていないようだという。プレーヤー同士が意思疎通する画面は存在するものの、送信できるのは「注意してください」「降伏してください」など、あらかじめ登録された定型文だけ。住民同士の自由なコミュニケーションを抑制する北朝鮮当局の情報統制が、ゲーム内にも反映されている形だと、RFAは指摘している。
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