北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、朝鮮労働党と政府、軍の幹部を集めた「党・政・軍連合会議」が10日に平壌で開かれ、人民軍総政治局の前組織副局長、パク・フィチョル氏の特大型汚職事件が取り上げられたと報じた。

同通信によれば、党中央軍事委員会は6月末に同氏の不正腐敗容疑で立件を決定。

その後、司法機関に引き渡され、最高裁判所が審理を実施したという。ただ、同通信がパク氏の罪状としてことさら強調したのは「あらゆる権柄と専横を極め、自分に対する特別な幻想を振りまき」「腹心と追従者を重要職制に配置して党の唯一的軍指導体系の確立を阻害した」というものだった。

朝鮮では、忠誠の対象は最高指導者ただ一人でなければならず、一幹部が自らを中心とする人的ネットワークを形成することは、単なる汚職ではなく政治犯罪として扱われる。

この構図は、2013年に処刑された金正恩総書記の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長のケースを想起させる。当時の張氏は体制ナンバー2ともいわれた実力者であり、その権勢は北朝鮮社会の隅々にまで及んでいた。

韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の著書『3階書記室の暗号 太永浩の証言』(原題)によれば、張氏の「一味」として粛清された幹部について、次のような情報が出回ったという。

「労力英雄の称号を受けたオボンサン管理所の所長も拘禁された。張成沢が遊び相手にしていて殺してしまった女性たちを、焼いてしまったという嫌疑のためだった」

オボンサン管理所は、火葬場や共同墓地を管理する組織だ。張成沢氏に死刑を言い渡した特別軍事法廷の判決は、同氏が数多くの女性と不倫関係にあり、違法薬物を服用していたと指摘していた。薬物の過剰摂取か何かで死亡した女性がいたということなのかもしれない。

もっとも、張氏の裁判が公正に行われたとは限らず、太永浩氏の証言も具体的とは言えない。だが、北朝鮮の他の幹部を巡っても似たような証言は多くあり、北朝鮮の権力層が醜悪な闇を抱えている可能性は高そうだ。

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