中国の飛行場で衛星写真に捉えられ、「謎の新型ステルス戦闘機ではないか」と注目されてきた機体状の物体について、米軍事専門メディア「The War Zone(TWZ)」が25日、その「正体」を報じた。

問題の物体は、中国の飛行場などで数年前から確認されてきた。

特に2025年、山東省の旧・済寧曲阜空港で撮影された衛星写真には、中国空軍のステルス戦闘機J-20に似た機体が駐機しているように見える様子が写っていた。

機体はカナード翼と双垂直尾翼を備え、主翼もステルス性を意識したような独特の形状だった。このため海外の軍事関係者らの間では、新型ステルス戦闘機の試作機や実物大模型、デコイなどさまざまな可能性が取り沙汰されていた。

ところが最近、中国で撮影された地上写真によって意外な正体が浮かび上がった。

写真には、J-20を思わせる形状の機体を使い、消防隊員らが消火活動を行っている様子が写っている。TWZによると、これは飛行場で航空機火災が発生した場合に備える消防訓練用の設備とみられる。

こうした設備は実際の航空機を精密に再現する必要はなく、戦闘機や旅客機などの大まかな形状を模して製作される。繰り返し火災を発生させ、消防隊員が実戦的な消火訓練を行えるようになっており、軍・民間を問わず世界各国で使用されている。

今回確認されたモックアップは、菱形に近いデルタ翼やカナード、2枚の垂直尾翼など、済寧曲阜空港で確認された「謎の機体」と特徴がよく一致する。地上から見ると、操縦席部分は中国の新型ステルス戦闘機J-35にも似ているという。

ただ、これで過去に中国で確認されたすべての「謎の機体」の正体が判明したわけではない。

2022年には甘粛省の臨洮基地でも、J-20に似た複数の機体状物体が衛星写真で確認されている。

こちらは今回の消防訓練用モックアップとは主翼の形や細長い機首などに違いがあり、TWZは同じ用途だったとは断定していない。

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