大気中のCO2回収技術の社会実装を通じたカーボンニュートラルの実現を目指す

大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC:Direct Air Capture)設備の設計・開発・設置を手がけるAircapture Inc.(本社:米国カリフォルニア州)と、独自のセラミック技術でDACの中核部材の開発を進めるNGK株式会社(本社:愛知県名古屋市)は、DAC技術の社会実装に向けた協業を開始しました。NGKのDAC用セラミックスを搭載したAircaptureのDAC実証施設を會澤高圧コンクリート株式会社(本社:北海道苫小牧市)に納入し、実環境での評価を実施します。
本実証は、Aircaptureにとって初の日本プロジェクトで、NGKにとって初の商用環境での実証となります。

実証の概要と意義
実証は、會澤高圧コンクリートの福島RDMセンターに設置されたDAC実証設備を使用します。Aircaptureが開発したDACシステムと、NGKが開発するDAC用セラミックスの技術を組み合わせ、DACの社会実装に向けた性能・運用面での評価を行います。あわせて、回収したCO2について、コンクリートへの固定化を含めた活用可能性についても検証します。
カーボンニュートラル社会の実現に向けては、CO2排出量の削減に加え、削減しきれない残余排出を相殺するために、大気中に存在するCO2を回収し、有効利用や固定化につなげる技術が鍵となっています。DACは、CO2を直接回収するネガティブエミッション技術として世界的に注目されており、本実証は、CO2の回収性能や設備の運転性、耐久性などを実環境で評価する重要な取り組みです。

AircaptureとNGKの技術的シナジー
Aircaptureは、工場や事業所に直接設置可能なモジュール型DACシステムの開発・展開を通じて、大気中のCO2を回収し、現地で高純度のCO2を供給しています。福島RDMセンターでは、回収したCO2をコンクリート製造工程で固定化する可能性を検証しています。
NGKは、自動車排ガス浄化用セラミックスで培った技術を応用し、ハニカム構造のDAC用セラミックスを開発しています。ハニカム構造は、別方式であるペレット(粒子)利用時と比較して空気の流れを均一化し、効率的なCO2回収を可能にします。また、圧力損失の低減による送風エネルギー削減に加え、薄壁・軽量構造による低熱容量化によってCO2脱離時の加熱エネルギー削減にも貢献します。

両社の技術により、以下のような効果が期待されます。


空気中のCO2の効率的な回収
低圧損化による送風エネルギー削減
低熱容量化によるCO2脱離エネルギー削減
DAC設備のコンパクト化
システム全体のコスト低減
モジュール型DACの展開によるCO2回収・利用の拡大

Aircaptureのシステム統合技術とNGKのセラミック技術を組み合わせることで、DACの普及に向けた技術的・経済的な課題の解決を目指します。

各社コメント
Aircapture Inc. Founder + CEO Matt Atwood
現在、日本の産業向けCO2供給の多くは化石燃料由来のプロセスに依存しています。しかし、2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、持続可能なCO2供給源の確保が不可欠です。私たちはこうした背景から、日本をAircaptureにとって最も重要な市場の一つと位置付けています。本実証は、NGKのDAC用セラミックスを実際のAircaptureのDACシステムに組み込み、実環境下で性能を検証する重要な取り組みです。ここで得られる知見を、日本におけるDAC技術の商業展開と社会実装の加速につなげていきます。

NGK株式会社 常務執行役員 エンバイロメント事業本部長 則竹 基生
NGKは、1919年の創立以来培ってきたセラミック技術を活用し、DACの性能向上とコスト低減に寄与するセラミックスの開発を進めています。DACの普及に向けては、技術性能だけでなく、実際の運用環境における性能や耐久性を検証することが重要です。Aircaptureおよび會澤高圧コンクリートとの実証を通じて、DACシステムの実用化に向けた取り組みを加速していきます。

Aircaptureは、産業・商業分野におけるモジュール型DACシステムの導入拡大を進めており、各プロジェクトで得られた知見を活用しながら、DAC技術のさらなる普及と事業展開を推進しています。
NGKは、より軽量でエネルギー効率に優れた次世代のDAC用セラミックスの開発を進めています。また、自動車関連事業で培ったグローバル生産基盤を活用し、将来的なDAC市場拡大に対応できる量産体制の構築を進めています。

両社は今後も協力を深め、DAC技術の実用化を通じて、ネガティブエミッション技術の普及を後押ししていきます。

Aircapture Inc.について
カリフォルニア州バークレーに本社を置くAircaptureは、DAC分野において革新的なソリューションの開発を進めています。回収したCO2を産業用途向けに供給するとともに、CO2の有効利用や固定化を含む幅広いプロジェクトを展開しています。モジュール型DACシステムを強みとし、顧客が回収したCO2を現場の生産プロセスへ活用できる仕組みを提供しています。2019年の設立以来、DAC技術の普及と循環型カーボン経済の実現に向けた取り組みを推進しています。https://aircapture.com/
NGK株式会社について
NGKは創立1919年のセラミックメーカーで、モビリティやエネルギー、IoT、産業領域などの幅広い事業領域でビジネスを展開しています。世界中の自動車に採用されている自動車関連部品や、半導体製造装置向けセラミックスを主力製品として展開しており、海外売上高比率8割、海外従業員比率6割と、グローバル企業としての存在感を高めています。独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献することをビジョンに定めた 2021年以降、事業構成の転換を加速しており、2026年4月には社名を日本ガイシ株式会社からNGK株式会社へ変更しました。NGK グループ理念に掲げる私たちの使命は、「社会に新しい価値を そして、幸せを」。新たな製品やサービスの提供を通じて、より快適で持続可能な社会の実現に挑戦し続けます。https://www.ngk.co.jp/


関連情報
AircaptureのDAC技術:https://aircapture.com/our-co2#advanced-technology
NGKのDAC技術:https://www.ngk.co.jp/product/rd-dac.html


本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 TEL:052-872-7980 mail:ngk-cc@ngk.co.jp

関連リンク
プレスリリース
https://www.ngk.co.jp/news/assets/pdf/20260825_1.pdf
AircaptureのDAC技術
https://aircapture.com/our-co2#advanced-technology
NGKのDAC技術
https://www.ngk.co.jp/kaiketsu/14_dac.html
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