レビュー

「指示待ち部下」が多いという話をよく耳にするが、それは「若手の能力不足」「中堅のやる気不足」のせいだと考えがちなところがある。しかし実は、なかば無意識に「組織におけるマネジメントが生み出した結果」なのである。

日本企業では自分の頭で考えるよりも、勝手に決めないことや出過ぎたことをしないことが重視され、それがために「指示待ち」となりやすいという。自律性が報われないからこそ、思考停止してしまう。
さらには、日本で多い指示型コミュニケーションには次のような傾向があるそうだ。「タスクの『全体像』を伝えていない」「『優先順位』の判断基準が曖昧」「『細かい指示』の出しすぎ」。身に覚えがないだろうか。欧米企業や外資系企業では、マイクロマネジメントで部下が成長するとは考えない。大事なのは「本質的なダイアログを交わすこと」なのだ。それは部下を「一人の人間」として見ることである。Googleでの人材育成を牽引し、HR分野での多彩な潮流を生み出してきた著者だからこその納得感といえる。
「日本の組織では、上司として必要な素養を身につけるための教育機会が圧倒的に不足」している。そこから生じる構造的な問題についての認識を深めながら、「日本の企業の上司は、どうすれば、部下の成長を促すことができるのか」を知るのが本書の目的である。一流のビジネスパーソンの行動を知悉している著者の提案は、目からウロコのものばかりだ。
ぜひ、刮目してご一読いただきたい。

本書の要点

・成果を出せる上司は、「成果から逆算してチームの方向性を決めたり、改善点を修正している」。
・上司の最も大事なミッションは「チーム全員が最高のパフォーマンスを発揮できる場作り」である。
・上司は、ワークデザイン(仕事の設計)の視点を持たなくてはならない。
・GROWモデルにより、部下の自律的な思考を促し、現場に判断が分散して上司の業務負荷が軽減される。



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