レビュー

自分が本当にやりたいことを知っているだろうか。そして、自分自身をどれほど理解しているだろうか。


私たちは案外、自分自身のことを理解できていない。著者の安斎勇樹氏はそう説いている。経営者と研究者の顔を持つ著者は、人と組織の創造性を高めるファシリテーションを探究してきた。本書では、自分自身と向き合い、その解像度を高める「リフレクション(内省)」の方法を余すことなく紹介している。
私たちが自分を見失う背景には、他者からの評価や社会的な規範、周囲の期待といった「ソーシャルノイズ」がある。いつのまにかその影響を受けて、自分の本音が見えなくなってしまうのだ。
そこで著者がすすめるのが、そうしたノイズから距離を置く「静かな時間」でのリフレクションである。リフレクションとは、自分の思考、感情などを振り返る営みだ。これを習慣化すれば、モヤモヤが和らぎ、日常のストレスに振り回されにくくなる。さらに、自分の価値観が明確になり、心から望む生き方も見えてくるだろう。
とはいえ、内省と聞くと難しく感じるかもしれない。漠然と考え込むだけでは効果的なリフレクションにはならない。
本書では、誰でも実践しやすい具体的なリフレクションのステップと留意点が、読者に寄り添うような言葉で解説されている。
日々の忙しさで心の声が聞こえにくくなっている方に本書をおすすめしたい。いま一度立ち止まり、静かな時間を持つことは、より自分らしい人生の扉を開くことになるかもしれない。

本書の要点

・ソーシャルノイズから離れる「静かな時間」を確保し、内省を深めるリフレクションによって、自分の価値観を理解しやすくなる。
・やりたいことが明確でも、経験や環境の変化により価値観が変化する可能性があるため、リフレクションは習慣化が大事になる。
・「感情のリフレクション」では、モヤモヤや怒り、不安などの理由を言語化していく。感情をリフレクションすることで、自分の価値観が見えてくる。



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