レビュー

「がんばって効率化しているのに、いつも仕事に追われている」「仕事もプライベートも充実させようと予定を詰め込んでいるけど、なぜか心が満たされない」――。本書はそんな、忙しい毎日を送りながらも心のどこかにモヤモヤを抱える現代人に贈る一冊だ。


著者は脳神経外科医の菅原道仁氏。著者によると、「タイパにこだわるほど、自分の人生のタイパ(充実度)は下がってしまう」という。最小限の時間で最大限の成果や満足を得ようとするタイパは、現代人にとってもはや当たり前の考え方だ。しかし、あふれる情報を次々と取り込み、倍速で駆け抜けるような生き方は、実は脳に大きな負担をかけている。著者は、「がんばるほど疲弊していく」のは「脳の余白」が失われているからだと指摘する。
本書では、詰め込みすぎた脳をゆるめて余白をつくり、自分が本当に望む人生を送るための方法を教えてくれる。その鍵となるのが、脳に備わる4つの機能だ。本書ではそれぞれを「心配性のおかん」「注意切り替えの交換手」「仕事のできるマネージャー」「自分を紡ぐアーティスト」と親しみやすく名づけ、その特徴を踏まえながら、脳の力を最大限に引き出すためのアドバイスやワークを紹介している。
人生の時間は有限だ。しかし、「どう生きることが最善か」を決めるのは自分自身である。脳をゆるめ、自分と向き合う余裕を取り戻せば、本当に大切なものがおのずと見えてくるのではないだろうか。

本書の要点

・タイパを追うほど、望む人生から遠ざかる。

これは、脳内の4つの機能のバランスが乱れていることに起因する。バランスを取り戻すには、脳を適度に休ませて「余白」をつくることが大切だ。
・「脳の余白」づくりは、「鎮める」「ぼーっとする」「整える」の順で行う。
・最初に行うべきは、スマホを遠ざけて、情報の入力制限をすることだ。
・心地よいと感じたことを記す「快日記」をつけると、自分の望む方向性が見えてくる。
・脳に負担をかけない環境を整えることで、無理なく目標実現に近づける。



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