レビュー

私たちの預金は、何もしなくても少しずつ目減りしている。
本書は、2000億円超を運用したファンドマネジャー・窪田真之氏が、25年以上にわたる投資経験をもとに「成長株の見つけ方」を解説した一冊である。


出発点は、「日本はこれから本格的なインフレ時代に入る」という著者の問題意識だ。長く続いたデフレ環境では、割安な企業を探す投資手法が有効だった。だが、企業が値上げできるようになり、新たな成長テーマが次々と生まれる今、投資家に求められる視点も変わりつつあるという。
そこで著者は、「投資で勝つための5つの鉄則」や損切り・利益確定の考え方を整理したうえで、「高成長株」を見極めるための視点を提示する。心に響いたのが、著者が長年の企業分析によって磨き上げてきた「成長株の4条件」だ。話題性や株価の勢いではなく、企業の本質的な成長力を見抜くためのフレームワークとして紹介されている。
後半では、AI、エネルギー革命、宇宙開発といった次世代のテーマから、どのように「真の成長企業」を見極めて、いつ買うべきかどうかも明かされている。そこから浮かび上がるのは、投資テクニック以上に「本質を見抜く眼」が重要であるという事実だ。
NISAの普及で株式投資は身近になった。しかし、「なぜその企業が成長するのか」まで練って銘柄を選べているだろうか。本書は、これからの日本株市場を見据えて、自分なりの投資判断の軸を持ちたい人に最適な一冊である。

本書の要点

・投資で成功するには、「良い損切り」「自分で判断する」など5つの鉄則を実践し、失敗銘柄の損失を抑えながら成功銘柄を伸ばすことが重要となる。


・高いリターンを狙うには高成長株投資と激安株投資が有効だが、いずれもリスクを伴う。市場成長性、市場シェア、参入障壁、マネタイズ力の4条件で見極めるとよい。
・今後の有力な成長テーマはAI、エネルギー革命、バイオ、宇宙開発である。



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