レビュー

家族、友人、同僚、パートナー。あらゆる人間関係の問題を解決する方法がある。

それは本書を読むことだ。
著者によれば、私たちが誰かと衝突する根本原因は、相手を十分に理解していないことでも、相性の悪さでもない。あなた自身が「自己欺瞞」に陥っていることにあるという。
著者のアービンジャー・インスティチュートは、マインドセットの変革を通じて組織改革を支援する研究機関である。40年以上にわたり世界中の組織を支援してきた実績を持ち、その知見をもとに、人間関係や組織運営の本質を研究してきた。
本書の原書の初版は2000年に発売され、世界300万部を超えるベストセラーとなった。今回、社会の変化を踏まえて改訂が施され、新版として刊行されている。
本書の中心概念である「箱」とは、自己正当化の状態を指す。自分は正しくて、相手が悪い。そう考え始めると、相手の欠点ばかりが目につくようになる。そして相手もまた、自分を正当化し始める。この循環によって、関係はますますこじれていくという。

正直なところ、本書の指摘は厳しい。あまりの厳しさに、何度も本を閉じたくなる。だが、それだけに価値がある。ぜひ、人間関係に疲れている人、自分ばかりが損をしていると感じている人、相手を変えたいと思っている人に読んでほしい。相手を見る目が変われば、自分の振る舞いも変わる。そして、人間関係そのものも少しずつ変わり始めるはずである。

本書の要点

・人間関係や組織の問題の根底には「自己欺瞞」がある。自分を正当化するために他者を見る目が歪み、「箱」に入った状態になることが、さまざまな対立や機能不全を生み出す。
・自己欺瞞は「自分への裏切り」から始まる。なすべきだと感じたことを行わないと、人はその選択を正当化するために相手を責め、自分を正しい存在として見ようとする。
・箱から出るには、他者を「物」ではなく「人」として見ることが必要である。責任を引き受け、率直に対話し、相手の成功を願う姿勢が、共謀を協働へと変えていく。



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