レビュー

薬効のない偽薬を飲んだにもかかわらず、なぜか症状が改善する「プラセボ効果」。実に不思議な現象だが、その背景には「脳のだまされやすさ」があるという。


「脳」には「知的」「合理的」なイメージがあるかもしれないが、その実態は「感情にとても流されやすく、ブレやすい」。いとも簡単に感情に支配され、ころっとだまされてしまう一面があるのだそうだ。
本書では、そんな「脳のクセ」を解き明かし、脳を上手に手なずける方法を紹介する。著者は、脳科学者で公立諏訪東京理科大学特任教授の篠原菊紀氏だ。身近な事例を取り上げながら、脳科学の知見をわかりやすく解説してくれる。
感情の中でも、とりわけ厄介なのが「怒り」である。穏やかな気持ちでいたのに、些細なことをきっかけにイラっとしてしまう。怒りを抑えようとしてもなかなか収まらず、場の空気を悪くしてしまった――という経験はないだろうか。実は脳の仕組み上、意識的に怒りを抑え込むのは難しいという。本書では「観察」という方法を使った、アンガーマネジメント術を紹介する。
怒りだけでなく、不安や緊張といった感情への対処法にも触れている。脳は感情に支配されやすいと同時に「だまされやすく」もある。
ちょっとしたコツを使えば、ネガティブをポジティブに変換させることもできるのだ。脳の仕組みを味方につけ、毎日をより良く過ごしたい人におすすめの一冊である。

本書の要点

・不安を払拭するには、一旦不安を外に出す「外在化」が有効だ。具体的には「不安を書き出す」「キャラに乗せる」「不安の感情を言い換える」などを試すとよい。
・「好き・嫌い」の感情はコントロールすることができる。
・人間関係がこじれたときは、「問題が解決した未来」に意識を向けると良い方向に向かいやすい。
・脳は「報酬系」と「注意・不安・恐怖系」の二大対立で構成される。出来事や体験を「報酬系」と結びつけると、ポジティブな気分に変わりやすい。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ