レビュー

「部下にどこまで任せるか」は、マネジャーにとって実に悩ましい問題だ。本人の主体性を引き出そうと「自分なりにやってごらん」と仕事を任せた結果、とんでもないアウトプットが返ってきた――。

こんな経験は、マネジャーなら一度や二度はあるだろう。
営業の現場では、今もこうしたことが日常的に起きている。「自分もそうやって育ってきた」という声も聞こえてきそうだが、人材不足でワークライフバランスが重視される今、このやり方はあまりにもコストが高い。
また、テッパンの「型」に頼ったり、スタープレイヤーのやり方を真似たりしても、それで必ず成功するほど営業は甘くない。
では、マネジャーもメンバーも無理なく、チームとして継続的に成果をあげるにはどうすればよいのか。その解決策として本書が提示するのが、「トライ&ハッピー」というサイクルである。
「トライ&ハッピー」は、5つのアクションを繰り返すことで「楽しく試せる環境」を作り、自然と成果につなげていく仕組みだ。『無敗営業』『営業の科学』などの著書を持ち、これまで4万人以上の営業支援をしてきた著者・高橋浩一氏は、「勝ちグセのある営業組織は『トライ&ハッピー』が回っている」と述べている。
もしあなたのチームが「よりよいやり方」を探っているなら、「トライ&ハッピー」を試してみてほしい。みんなで試行錯誤しながら「勝ちパターン」を見つけ、それを言語化してチームの財産にしていく――。本書はそのためのアプローチを教えてくれる、実践的な一冊だ。

本書の要点

・営業現場で人が育ちにくい背景には、「成功パターンをコピーすれば成果が出る」という思い込みがある。

しかし、他者の成功パターンを踏襲しても成功するとは限らず、むしろメンバーのやる気を削ぐ危険性がある。
・自走するチームは「試すことが楽しい」状態にある。結果ではなく「構造」を見て、成功だけでなく失敗からも「学ぶ」姿勢を大事にしている。
・「トライ&ハッピー」のサイクルは、「設計する」「『型』を作る」「試行錯誤する」「発見する」「回し続ける」の5つのアクションで構成される。



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