レビュー

「国際外交」と聞いて要約者の脳裏に浮かんだのは、2023年5月に開催された「G7広島サミット」である。世界的な首脳会議が日本で開かれるという話題もさることながら、広島の名産をふんだんに使った豪華な食事や、瀬戸内海を見渡せるホテルでのワーキングランチなど、会議以外の場面が印象に残っている。


外交、とりわけトップレベルの外交では、公式の会議と同じくらい重要になるのが「社交」である。政治やビジネスの世界は意外にも泥臭く、水面下で築かれる人間関係が大きな影響力を持っている。一般社会を見渡してみても、通じる部分はあるのではないだろうか。
本書の著者は、アメリカ・ワシントンDCの在米日本大使館でソーシャル・セクレタリーを30年余り務めているビューカー清美さんだ。ソーシャル・セクレタリーとは、大使夫妻の社交活動を支える専門家で、公式行事やレセプションの企画・運営、プロトコール(国際儀礼)に関わるアドバイスなどを担っている。ホワイトハウスにも同様の職があり、アメリカ外交の中心地・ワシントンDCならではの仕事といえる。
本書では、著者の豊富な経験をもとに「世界一流の社交」について語られる。会食のセッティングや会話術、社交を次につなげる人脈づくりなど、ここでしか聞けない貴重な話がたっぷりと紹介されている。
要約では、特にビジネスパーソンに役立ちそうなトピックを中心に構成した。どの世界でも、土台になるのは「人と人とのつながり」である。日々の仕事や人づき合いに、活かせるヒントが詰まった一冊だ。

本書の要点

・「社交」とは、相手と信頼を築き、情報を交わし、関係を動かすための「戦略的な交流」だ。

会食などでの社交が、会議や交渉の場に影響を与えることもある。
・雑談で最も大切なことは、相手に関心を示すことである。複数人での会話では、誰もが会話に参加できるように気を配りたい。
・自分の成果や貢献を周りに認知してもらうには、相手に光をあてつつ、自分の成果を静かにかつ確実に伝える必要がある。



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