レビュー

「部下との関係が悪くなるのではないか」と不安になり、伝えるべきことを飲み込んでしまった。勇気を出して伝えてみても、相手には思うように響かない――。

マネジャーであれば、このような悩みを抱えた経験が一度はあるのではないだろうか。
本書の著者は、アチーブメント株式会社取締役営業本部長、橋本拓也氏だ。数多くの企業で管理職育成や組織づくりを支援してきたマネジメントの専門家であり、前作『部下をもったらいちばん最初に読む本』は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」で総合グランプリとマネジメント部門賞を受賞した。
著者は、マネジメントには2つの前提があると説く。1つは、「何のためにどのような心構えで関わるのか」という「あり方」。もう1つは、「どのような伝え方をするのか」という「やり方」の技術である。この2つが噛み合ってはじめて、マネジメントは機能するという。
本書が焦点を当てるのは、後者の「伝え方」である。言いたいことを言えない「ブレーキ」の正体、相手を観察・理解する方法、フィードバック、仕事の委任、1on1という5つについて、現場ですぐ実践できる具体的なメソッドが紹介されている。
部下に伝えたいことがあるのに「言っても伝わらない」「関係を壊したくなくて言えない」と悩むマネジャーに、ぜひ手に取ってほしい一冊である。本書を読めば、部下との信頼関係を築きながら、成果を生み出すマネジメントを実践できるようになるはずだ。

本書の要点

・部下に対する「言ったほうがいいのはわかっているが、言えない」という心のブレーキを外すには、相手を思い通りに動かそうとすることをやめ、自分がコントロールできることだけに集中する必要がある。


・フィードバックは、相手の成長を支えるための情報提供である。
・委任とは、部下の成長機会を設計することだ。仕事を任せる際は、その人に委任する理由や達成基準を明確に伝え、部下が「自分の仕事だ」と当事者意識を持てるよう支援することが重要だ。



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