レビュー

「あなたの会社のミッション・ビジョン・バリューを教えてください」。そう問われて、あなたはすぐに答えられるだろうか。


企業や組織にはこうした「大事な言葉」が存在する。しかし、それらの多くは掲げられるだけで、日常的に使われることは少ない。言葉は企業活動に不可欠なものであるのに、それを経営に活かし切れていないというのは、非常にもったいないことである。
「言葉」を「経営資源」として捉え直して、組織を支える武器にしよう――というのが、本書の主眼である。著者はコピーライターの梅田悟司さん。「バイトするなら、タウンワーク。」などの名コピーを生み出すかたわら、言語化にまつわる数々の著書を世に送り出してきた。『「言葉にできる」は武器になる。』はシリーズ累計35万部を超え、高校の国語の教科書にも掲載された。
言葉の力は誰もが認める一方、その効果が見えにくいことから「たかが言葉」と軽んじられもする。しかし著者は、「言葉は経営の武器になる」と断言する。そのために必要になるのは「実体」だ。それは経営者の想いであり、社員の本音であり、関わる人たちの日々の営みにほかならない。

実体のある言葉は現場で何度も口にされ、使われることで組織に浸透していく。本書ではそれを「信じられる言葉」と呼び、つくり方の「4つの工程」を提示する。一般的なコピーライティングの手法とは異なるように見えるが、そこには著者ならではの言語化の妙がある。
本書のメソッドを実践すれば、言葉の持つ力を実感し、組織が内側から変わっていくさまを目の当たりにするはずだ。

本書の要点

・「信じられる言葉」とは、現場で何度も口にされ、社内で流通する言葉である。言葉は使われることで、組織に浸透していく。
・その企業「らしさ」は空気のようなもので、言葉にするのが難しい。
・「自社らしさ」を言葉にするには、「聴く」「整理する・書く」「見極める・磨く」「運用する」の4つの工程を踏む。なかでも重要なのが「聴く」プロセスだ。



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