自称「日本の鉄の女」がG7サミットに初参加だ。13~18日の日程で欧州訪問中の高市首相は日本時間14日、仏エビアンで開催されるサミットに先立ち英国入り。

スターマー首相との首脳会談に臨んだ。15日はイタリアのメローニ首相と会談し、16日にサミットに出席する。


 お得意の「サナエスマイル」を振りまきながら羽田空港から飛び立った高市首相は、再び満面の笑みを浮かべながら英国に降り立った。スターマー首相との首脳会談では、国際秩序を揺るがすトランプ米大統領の不確実性を念頭に「準同盟」たる日英関係の強化を確認。米国とイスラエルによるイラン攻撃がもたらした中東情勢の混乱を踏まえ、エネルギー協力などを話し合った。


 今回の日英首脳会談は、「中東情勢を踏まえた自由貿易と法の支配を前提としたエネルギー安全保障」(高市首相)などについてG7で議論するための足場固め。高市首相はG7初参加に「アジアの代表として出て行くんだという思い」と力むが、自由や法の支配をぶっ壊している米国への追従を隠さない。問題は、矛盾をはらむ外交姿勢そのものだ。


 高市首相は外遊出発前の12日、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)に寄稿。自身をサッチャー元英首相になぞらえて「日本の鉄の女」と紹介しつつ、こう力説した。


「ホルムズ海峡を巡る最近の動向は、日本が一貫して支持してきた法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序に緊張をもたらしています。エネルギーを含む重要物資のサプライチェーンの強靱性を担保するためには、この航路を国際法に従って守ることが不可欠です」


 ここでも「法の支配」「国際法順守」を強調しているが、明確な国際法違反であるイラン攻撃の法的評価については棚上げしたまま。

イラン攻撃の正当化に国連憲章51条を持ち出した米国と同じ理由でウクライナ侵攻を続けるロシアには、ハッキリと「国際法違反」を指摘したにもかかわらずだ。



「日本だけが米国やイスラエルに気を使い対米追従一辺倒」

 自ら「法の支配」という大前提をねじ曲げておきながら、高市首相は一向にお構いなし。先月20日の党首討論でも、イラン攻撃について「G7などでも、この国際法的な評価についてはほぼ取り上げられない」と居直った。


 しかし、すでにG7各国はイラン攻撃の評価を鮮明にしている。スターマー首相は英議会でイラン攻撃が国際法に違反している恐れを示唆し、メローニ首相は「国際法の範囲外」と米国から距離を置く。ドイツのシュタインマイヤー大統領も、フランスのマクロン大統領も「国際法違反」との認識だ。


「G7各国はイラン攻撃への批判のトーンや立場に違いはあれど、それぞれ米国から距離を置いています。いまだに日本だけが米国やイスラエルに気を使い、対米追従一辺倒。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザの虐殺を巡っても、日本は法的評価を避け続けています。一方、イタリアでは町中にパレスチナへの連帯を表明するパレスチナ旗がはためいていますし、ドイツでもビルの壁などに描かれているパレスチナ旗をよく目にします。イスラエルに対する国際世論の変化すら、日本政府は分かっていないのではないか。このままでは日本の対米追従ぶりが際立っていくだけです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)


 相手によって法的評価を判断するご都合主義のくせに、「鉄の女」「アジア代表」を自任とは笑わせる。

見る者の共感性羞恥を呼び起こす振る舞いを国際舞台で繰り返してきた高市首相の“外交力”に期待できるわけがない。


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