「非常に残念に思います」──。日本維新の会の看板政策「副首都法案」が連立を組む自民党から修正を余儀なくされ、維新の吉村代表(大阪府知事)は23日の会見で改めて悔しさをにじませた。
政府が来月まとめる経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込むべく、自民と維新は高齢者医療費の窓口負担について協議中。22日に判明した骨太方針の素案では負担見直しが〈27年度の予算編成過程で結論を得る〉と既定路線になっている。ただ、「原則3割負担」を主張する維新に、自民は慎重姿勢を崩していない。今月中の合意を目指す一方、両党の隔たりは依然、大きいのが実情だ。
窓口負担は現状、原則として69歳までが3割、70~74歳が2割、75歳以上が1割。維新は高齢者人口がピークを迎える2040年ごろまでに、15年かけて未就学児を除く84歳以下を「3割負担」に移行させる案を掲げている。まかり間違えば、医療費負担が「死ぬまで3割」になりかねない。
維新は成果として「現役世代の負担軽減」をうたうが、ターゲットは国民民主党とほぼ一緒。肝いり政策の割に独自色に欠けるうえ、むしろ現役世代にとっては逆効果だ。全国保険医団体連合会事務局次長の本並省吾氏が言う。
■受診控え招く
「高齢者が負担増によって受診を控えると、重症化のリスクが高まります。特に糖尿病は網膜剥離や慢性腎不全につながる恐れがあり、血糖管理のための通院ペースを乱すわけにはいきません。1カ月1回の通院が3カ月に1回なんてことになれば、病状の深刻化を招き、透析や入院などの医療費増加につながる。その重荷が現役世代にのしかかるのです。要介護や寝たきりの高齢者が増え、年間10万人の介護離職もさらに増えかねません。長期的に見て現役世代の負担にはね返ってくるのです」
維新も国民民主も「年齢によらない応能負担」を主張するが、すでに現役所得並みの高齢者は3割負担だ。
「生活のために働かざるを得ない高齢者が増えている中、重症化や寝たきり、要介護を減らすことが政府方針だったはず。元気に働いてもらうなら、医療にアクセスしやすい環境整備を優先すべきです」(本並省吾氏)
しょせん維新は高市政権の日陰者。“改革”をうたうチンピラ政党に保険制度をいじられてはたまらない。
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