とどまるところを見せない物価高で国民生活が汲々とするなか、NHK経営員会のトップから受信料の値上げ発言だ。報道によると、経営委員会委員長の古賀信行氏は6月23日の経営委員会後の取材でこう言ったという。
「世の中、物価高というプレッシャーは働いている。だから大体、値上げしている。本当は(受信料)値上げの時期だと、個人的に思う」
NHKによる同日発表の2025年度決算で、収入から支出を差し引いた事業収支差金が318億円の赤字となったことなどを受けての見解として伝えられた。
「そう安易に値上げとは、なかなか言えない状況だろう」の発言も同時に伝えられたが、世論から「これ以上、負担増を強いるのか」「無神経だ」「その前にやることがあるだろう」などと反発を招いている。
「経営委員会はNHKの経営方針や業務運営の重要事項を審議し議決するガバナンス監督機関であり、執行部ではありません。とはいえNHKは受信料の取り立てを強化したことで、このご時世にありながら赤字額は前年度比130億円縮小していますし、売上高に当たる事業収入は前年度比0.1%増の6130億円と6年ぶりの増収となっています。それでいて、さらに値上げ容認と受け止められる発言ですから、世論の怒りも当然かも知れません」
とは、スポーツ紙芸能デスク。
「いまや20代の7割、30代も6割近くがテレビを見ないとの調査結果を今月16日にNHK放送文化研究所は発表しています。テレビ離れが急加速しているからで、そうした若者を中心に、スクランブル化を求める声が圧倒的という状況が続いています。見ない人にも一律で負担を求める現行制度への疑問が背景にあるのですが、NHKの井上樹彦会長は『番組を見る対価ではなく、公共放送を支えるための負担金』が受信料だとして、スクランブル化を全否定し議論すらしようとしていない。値上げ論によって、国民負担の見直しを求める世論と『公共放送』としての現行制度維持のNHKが正面からぶつかっている構図がさらに強まっていく状況にみえます」(同)
古賀氏はまた、受信料の「未収数」が6年ぶりに減少に転じたことを「職員の努力の成果」と評価したそうだが、取り立て強化策からして国民の多くが反発している。そうした世論は耳に入っていないのだろうか。
■「公共放送」とカネ儲け主義の“2枚看板”
「受信料を払っていない世帯への督促を強化し、さらに簡易裁判所を通じた支払い督促申し立てという民事手続きも強化するとの方針が功を奏したと、NHKを評価するばかりだったようです。テレビなどで流される『受信料のお手続き』は強制感が強く、納得感は薄いという国民感情はスルーということでしょう。そもそも(受信料)収入が7年連続減少となれば、普通の企業であれば自社のサービスを見直し、コスト削減などで経営を効率化し、消費者から選ばれる努力をする。そうした企業努力よりも何よりもまず『値上げ』という発想になること自体、どうかしているとしか見えません」(民放関係者)
井上会長は6月17日の定例会見で、NHK番組を米動画配信大手「Netflix」で世界配信することを発表したことについて、「収支採算を重視する」(テレビ東京の吉次弘志社長)のは公共放送としておかしいと民放から批判が出ていることにも、こう反論したという。
「業務の適切性を検証しながら実施している。あくまで受信料で制作した番組の外部提供は利益を目的とするものではなくて、放送法に基づいて事業者の要請に応じて行うもの」
この説明といい、NHKの標榜する「公共放送」自体、認めている国民はどれだけいるのだろうか。
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