【この有名人の意外な学歴26年夏】#1


 佐藤二朗(俳優)


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橋本愛(30)の事務所やフジテレビとのボタンの掛け違いがいくつも重なり窮地に追い込まれた佐藤二朗(57)だが、彼の俳優人生が揺らぐことはない」と話すのは制作会社の幹部。


 名古屋市に隣接する愛知県東郷町で育った佐藤が役者を目指そうと思い立ったのは地元の公立小学校4年の時。

学芸会の劇で主役を演じ喝采を浴び、芝居に目覚めた。NHK名古屋放送児童劇団に入り「中学生日記」に出演。中学2年の時、富田靖子(57)が主演を務める映画「アイコ十六歳」のオーディションに合格。同級生役だったが、セリフはもらえなかった。


 近くにある県立高校に進学。水泳部や英会話部に入ってみたものの、すぐにやめている。現在のよくしゃべるイメージとは真逆で、寡黙な高校生だった。3年間、芝居とも関わらなかった。役者への夢を捨てたわけではなかったが、これで食っていくという未来図は描けなかったのだ。


 ちゃんとした会社に就職して趣味で演劇をやるのが自分に合っていると思い、いい大学に入るために受験勉強に精を出した。国立の信州大経済学部(現経法学部)に現役合格。特に経済に興味があったわけではなかった。


 長野県松本市のアパートで1人暮らしを始めた佐藤だったが、部屋でくつろぐ時間はほとんどなかった。大学の4年間はアルバイトに明け暮れる日々だった。バイト先は浅間温泉の旅館。フロントマンを任された。


■「文学座」を追い出されるも31歳が人生の転機に


 就活はなかなかうまくいかなかった。バブルが崩壊し、就職氷河期に入りつつあった。20社以上受けて、内定が出たのは1社だけ。その数年前に未公開株を政財界の要人にバラまいた汚職事件が明るみに出て、人気が急落していたリクルートだった。だが、せっかく就職が決まりながら、佐藤が同社に在籍した期間は短かった。わずか1日で退職してしまうのだ。入社式のイベントが進むのを見ているうち、自分がいる場所ではないという気がしだした。そのまま会場をあとにして、以降一度も出社することはなかった。


 翌年には文学座の研究所の入所試験に合格。夢に向かって歩みだしたはずだったが、役者への道はそんなに甘くはなかった。1年後の進級試験に落ち、文学座を追い出されてしまうのである。別の研究所に所属したものの、鳴かず飛ばず。ようやく希望の光が差しだしたのは31歳の時だった。本木雅弘主演のドラマ「ブラック・ジャックⅡ」(TBS系)に出演。「端役ながら面白い俳優がいると、本木が所属する事務所の社長の目に留まり声を掛けられた」(前出の制作会社幹部)のが転機となった。現在も所属する同事務所に入ると、次々にドラマや映画に起用されるように。まもなく、役者一本で食っていけるようになった。


「今や佐藤はこの世界には欠かせない存在。今回のバッシングにひるまず、さらにたくましい姿を見せてほしい」(同幹部)というのが多くの業界人の思いのようだ。


(田中幾太郎/ジャーナリスト)


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