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 若手女社長と右腕の女役員は、特殊詐欺グループの「かけ子」や「運び屋」を確保するため、自社の面接で不採用にした応募者に「儲け話」を持ち掛け、仲間に引きずり込んでいた。


 特殊詐欺に加担させるために過去に面接した男性をトクリュウに紹介したとして、広島県警組織犯罪対策1課は7日、広島市の建設会社「First」代表の前原里帆(32)と元同社役員の松本佑香(30)両容疑者を所在国外移送誘拐未遂と職業安定法違反の疑いで再逮捕した。


 2人は今年3月下旬~4月中旬ごろ、建設会社の求人募集で不採用にした無職の男性(35)をトクリュウを通じて東南アジアに送り込もうとした。男性は2人から紹介された詐欺グループの指示役の男から電話で具体的な仕事内容を伝えられ、闇バイトと気づき、仕事の依頼を断った。


 2人は特殊詐欺グループの「リクルーター役」とみられ、先月、別の警備員の男性(47)を「3日くらいの国内出張でカバンを搬入する仕事。報酬は30万円です」とそそのかし、国外に出国させたとして、同容疑で逮捕された。


「この男性も1年前の採用面接で不採用になったが、突然、松本から電話がかかってきた。今年3月11日、JR広島駅で新幹線に乗せられ、同行した松本に関西空港まで連れて行かれた。男性は組織の指示通り、国際線に搭乗して台湾経由でタイに渡ったが、怖くなって現地の日本大使館に逃げ込んだ」(捜査事情通)


 調べに対し、前原は「被害者のことは知っているが、犯罪の実行役に勧誘していない」と話し、松本容疑者は「事実については知らない」といずれも容疑を否認している。


 前原は2023年8月、外構や土木工事を中心とした会社を設立。それ以外にも複数の飲食店を運営している。


「これまでも面接に来た人材を繰り返し詐欺要員として東南アジアに送り込んでいた。2人とも正規の仕事をしながら、なぜ犯罪に手を染める必要があったのか。特殊詐欺グループとの接点を含め、動機を調べます」(前出の捜査事情通)


 前原容疑者は2年前、「人助け」をして広島県警から感謝状を贈られている。


「24年11月21日午後8時ごろ、会社近くの路上で道に迷った高齢女性に声を掛けられた。女性は足の痛みを訴え、疲れ切った様子だったそうです。家族とも連絡が取れず、前原は女性を車に乗せて自宅まで送り届けた。女性は朝、外出したまま行方が分からなくなり、家族からの捜索願を受理した警察が捜していたところでした」(地元関係者)


 会社のHPに<今後も地域に根ざした施工会社として、信頼され続ける存在を目指し、スタッフ一同努力してまいります>と記していた前原容疑者。


 感謝状を授与されてから1年8カ月。その間、「建設会社」の看板を掲げながら、求人募集に応募してきた求職者を闇バイトに引きずり込み、特殊詐欺の片棒を担がせていた。


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