バックミラーに、やけに近い車が映る。車間を詰められ、パッシングやクラクションを浴びる。
急いでいる人なのだろうと譲ってやり過ごした経験、思い当たる方もいるのではないでしょうか。
法務省の令和7年版犯罪白書によると、2024年に摘発された妨害運転(いわゆるあおり運転)は146件。前年から44件増えました。この罪ができたのは2020年6月で、その後は100件前後で推移していましたが、直近で一気に4割以上増えています。

“あおり運転”してきた車を交番まで誘導した結果…運転手が青ざめた顔で警察に捕まるまで/ドラレコって、いま年間何台くらい売れているのか調べてみた
※画像は生成AIによるイメージです
今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ人気記事から、あおり運転をしてきた車が目の前で捕まるまでを目撃した2人のドライバーの話。1人は偶然通りかかったパトカーに、もう1人は自分の判断で相手を交番まで連れていきました。

記事の後半では、あおり運転の被害に遭ったとき、運命を分けるともいえる「ドライブレコーダー」が、いまどれだけ普及しているのかを調べてみました。

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①“まるで追い詰められている”感覚だった


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※画像は生成AIによるイメージです
 仕事が終わり、帰宅するために車を走らせていた佐々木綾子さん(仮名・30代)。突然後ろから異常なスピードで近づいてくる車が目に入ったという。

「急いでいるのかと思ったのですが、私の車にぴったりとくっついて、車間距離をほとんどとらずに“あおり”はじめたんです」

 佐々木さんは焦らず冷静に運転を続けようとしたのだが、その車がどんどん近づいてきたため、“まるで追い詰められている”感覚に陥った。

「左に車線を変更して少し距離をとろうとしましたが、その車は私の横に並ぶと、右側から前に割り込んできたんです」

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 驚いた佐々木さんは急ブレーキを踏んだ。しかし、その後も減速をしながら急ブレーキをかける行為を繰り返された。

「恐怖と混乱で冷や汗が流れました。
前にはほかの車も多くて危険な状況だと思いました」

 そのとき、目の前をパトカーが通り過ぎ、あおり運転の車を止めたという。

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「本当に運がよかったです。警察官がその車に近づいて運転手に声をかけました。運転手は反論していましたが、徐々に黙り込んでいきましたね」

 そして、さらに驚くべき事実が判明する。

無免許でのあおり運転が判明して…


「警察官が免許証の提示を求めたところ、なんと“無免許”だったんです」

 運転手は無免許運転のうえ、あおり運転をしていたため、警察官はその場で逮捕することになったそうだ。

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「無免許の運転手に対して適切な処罰が課せられることを知り、ようやく安心できました。警察官に連れていかれる姿を見届けたとき、やっと恐怖から解放された気がしました」

 警察官からは、「お疲れ様です。もう大丈夫ですよ」と声をかけられた。

「その言葉に心からホッとしたと同時に、警察の迅速な対応に感謝しかありませんでした」

②制限速度は50キロ、“スピードを上げる必要はない”と判断


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「仕事帰りの夜、私はいつものように車で自宅に向かっていました」

 金田進さん(仮名・30代)は、郊外の片道一車線を走っていた。この日は、そこまで混雑していなかったのだが、後ろから猛スピードで近づいてくる車がバックミラーに映り込んだという。

「え、近すぎないか?」

 次の瞬間、その車はパッシングを繰り返し、クラクションを鳴らしはじめた。

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「どうやら私の速度が気に入らなかったみたいですね。でも、制限時速は50キロ。私はその速度を守っているし、無理に“スピードを上げる必要はない”と判断しました」

 すると、その車は金田さんの車を追い越し、直後に急ブレーキをかけてきた。


「危うく追突しそうになって、なんとかハンドルを切って難を逃れました。心臓はバクバクでした」

 その車は前方で蛇行運転を続け、金田さんを威嚇してきたという。

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「相手は30代くらいの男性で、助手席にも誰か乗っていましたね。巻き込まれたくないけど、どうすればよいのか……。それだけを考えて走っていました」

 幸いなことに、金田さんは“あること”を思い出した。

運転手は“危険運転の常習者”だった


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「数百メートル先に“交番”があることに気づきました。冷静を装いながら、速度を緩めて相手との距離を少しずつとったんです。そして、交番の前に着いた瞬間、ウインカーを出して敷地内に入りました」

 すると、「おい、バカが……」とでも言いたげに、相手も交番の前に止まった。

「交番から2人の警察官が出てきました。警察官を見た相手の表情は凍りついていました」

 警察官はすぐに状況を察知。男性に職務質問をはじめた。そして、車のナンバーから、以前から通報が多かった“危険運転の常習者”ということが判明した。

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「その場で身分確認が行われて、私は警察官に状況を説明しました。
私に向かって威嚇していたはずの相手の顔が、すっかり青ざめていました」

 警察官からは、「危ない目に遭いましたね。でもドラレコがあって助かりました」と声をかけられた金田さん。

「そのとき心からホッとしましたし、あおり運転が自業自得の末路を迎えたことに“スカッ”としました」

“あおり運転”してきた車を交番まで誘導した結果…運転手が青ざめた顔で警察に捕まるまで/ドラレコって、いま年間何台くらい売れているのか調べてみた
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<取材・文/chimi86>

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■ドラレコは、いま年間348万台

金田さんが警察官からかけられた言葉は、「危ない目に遭いましたね。でもドラレコがあって助かりました」でした。あおられた側が身を守る手段として、いまいちばん現実的なのが、この小さなカメラなのかもしれません。

電子情報技術産業協会(JEITA)とドライブレコーダー協議会の統計によると、2025年度に国内で出荷されたドライブレコーダーは348万6557台(個人向け323万2928台)。1年で340万台以上が世に出ているわけで、あおられた側が「記録を持っている」可能性も、それなりに高いということになります。

もちろん、カメラがあおり運転を止めてくれるわけではありません。ただ、何かあったときに事実を語ってくれるのは、たいていこのカメラです。自分の車のドラレコ、ちゃんと録れているでしょうか。

“あおり運転”してきた車を交番まで誘導した結果…運転手が青ざめた顔で警察に捕まるまで/ドラレコって、いま年間何台くらい売れているのか調べてみた
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<再構成/日刊SPA!編集部>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。
趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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