トランプ米大統領は、どこまで本気なのか。
11月3日に行われる中間選挙で共和党が上下両院で勝利したら、成人市民に5000ドル(約77万円)を支給するとトランプ大統領が表明し、世界中で話題となっている。
トランプ大統領が公約した5000ドルの「トランプ配当金」は、共和党大会で飛び出したもの。大会参加者は発表に大喜びし、歓声を上げていた。
アメリカの成人は、約2億5000万人。全員に5000ドルを配るとなると、総費用は1兆3000億ドル(200兆円)に上るという。
200兆円というベラボーな金額ということもあって、野党・民主党は実現を疑問視し、さっそく批判している。ラスキン下院議員は「5000ドルは賄賂だ」とXで非難し、民主党全国委員会は「実現しない」「国民への空約束だ」と声明を発表している。
「トランプ配当金」に対しては、弊害を指摘する声も多い。消費を活発化させることでインフレを加速させ、財政悪化も招くという懸念だ。実際、財政悪化懸念から、アメリカの長期金利は「トランプ配当金」の発表後、4.96%まで急騰してしまった。物価高に苦しむ有権者をさらに追いつめることになる可能性も高い。
問題は、この「トランプ配当金」構想が、票につながるのかだ。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)はこう言う。
「集票効果はほとんどないか、増えてもわずかでしょう。多くの人は実現できるとは思っていないからです。『またか』という感想だと思う。というのも、配当金の支給宣言は、これで3回目だからです。まず、米政府効率化省(DOGE)による歳出削減分を原資とした5000ドルの“DOGE配当”を支給すると約束し、さらに関税収入から2000ドルを配当するとも約束していました。しかし、いずれも実現していません」
はたして中間選挙はどうなるのか。米選挙情勢調査・分析「クック・ポリティカル・リポート」の最新調査では、現時点での予想議席は上院(定員100)は、共和47、民主47、接戦6。下院(定員435)は、共和209、民主205、接戦21となっている。
財源もないのに中間選挙のために「トランプ配当金」をブチ上げる姿は、財源も用意せず「消費税減税」を掲げる高市首相とまったく同じだ。
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