米政府系ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は2026年7月6日までに、今年上半期(1~6月)に世界で盗まれた仮想通貨(暗号資産)の約66.2%が北朝鮮関連ハッカー集団によるものだったと報じた。米民間ブロックチェーン分析会社「TRMラボ」の最新報告書で判明した。
北朝鮮が国際社会の経済制裁を回避し、核・ミサイル開発資金を確保するためサイバー犯罪を活発化させている実態が改めて浮き彫りとなった。

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 報告書によれば、今年上半期の世界全体の仮想通貨ハッキング被害総額は9億7200万ドル(約1555億円)に達し、そのうち北朝鮮関連集団の関与は6億4300万ドル(約1029億円)に上った。被害額は前年同期(約17億ドル)より減少したが、報告書は「北朝鮮の攻撃能力が衰えたのではなく、他国での超大型流出が少なかっただけであり、依然として世界の仮想通貨窃盗を主導している」と指摘した。

 特に大規模だったのは4月の2件である。分散型取引プラットフォーム「ドリフト・プロトコル」から約2億8500万ドル、「ケルプDAO」から約2億9200万ドルが盗まれ、両事件で北朝鮮による上半期窃盗額の約9割を占めた。TRMラボによると、北朝鮮ハッカーは無差別攻撃から「ソーシャル・エンジニアリング」を用いた精密な標的型攻撃へと移行している。ドリフト攻撃では、工作員とみられる人物が数か月にわたり従業員と直接面会し信頼を構築した上で、わずか12分間で巨額資産を流出させた。

 今回の統計はハッキング被害のみを対象とし、フィッシング詐欺や北朝鮮IT技術者による偽装就労報酬などは含まれていない。実際の収益はさらに巨額に上る可能性が高い。米国務省報道官はVOAに「北朝鮮は制裁回避と大量破壊兵器・弾道ミサイル計画資金調達のためサイバー犯罪依存を強めている」と述べ、仮想通貨窃盗と資金洗浄が国家戦略の柱となっているとの認識を示した。日米韓3か国は先月下旬、ワシントンで実務者協議を開き、北朝鮮のサイバー脅威への連携強化を確認するなど警戒を一段と強めている。
【編集:af】
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