フィリピンの格安航空大手セブ・パシフィックがマレーシア高等裁判所で勝訴した。今回の裁判の背景は、日本人にはやや分かりにくいが、要するにエアアジア系の旅行プラットフォーム「AirAsia MOVE」が、セブ・パシフィックと正式な契約を結ばないまま、第三者経由で航空券を入手し、独自に転売していたという構図である。
裁判所はこれを「パッシングオフ」(他社の商標を用いて正規販売であるかのように見せかける行為)と認定し、商標権侵害を明確に指摘した。

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 セブパシフィックは2026年7月7日、クアラルンプール高裁がMove Travel Sdn. Bhd.(AirAsia MOVE運営会社)に対し、同社の商標「CEBU PACIFIC」「CEBGO」を用いた航空券販売を禁止する命令を下したと発表した。判決はフィリピン証券取引所への開示を通じて明らかにされたもので、同社は「AirAsia MOVEに販売を許可した事実は一切ない」と強調した。

 GMA News Onlineによれば、裁判所はAirAsia MOVEの行為を「パッシングオフ」と認定し、商標権侵害を明確に指摘した。判決は同社に対し、セブ・パシフィックおよびセブゴーの商標を用いた販売活動を全面的に禁止し、さらに120000リンギ(約1810000ペソ)の訴訟費用を支払うよう命じた。損害賠償額については別途審理で確定される。

 Cebu Daily Newsは、この訴訟が2024年6月に提起されたものであると報じている。セブ・パシフィックは当時から、AirAsia MOVEが無断で航空券を販売していると主張し、商標の不正使用を問題視していた。判決は同社の主張を全面的に認め、今後AirAsia MOVEが正規の許可なく航空券を扱うことを禁じる内容となった。

 The Manila Timesは、判決によりセブ・パシフィックとセブゴーの商標が「著名商標」として認定された点を強調している。裁判所は恒久的な差止命令を発し、AirAsia MOVEが同社のブランドを用いて航空券を流通・販売することを禁止した。さらに、損害賠償については今後の審理で追加的に算定される見通しだと伝えている。


 セブ・パシフィックは声明で「正規の認可を受けた旅行プラットフォームや販売代理店との協力は歓迎するが、無断で商標を使用し航空券を販売する行為は認められない」と述べ、利用者に対しては公式チャネルを通じた予約が最も安全であると呼びかけた。今回の判決は、航空業界におけるブランド保護と販売権限の明確化を示すものとなった。

 今回の裁判結果は、フィリピン航空業界における競争環境にも影響を及ぼす可能性がある。AirAsia MOVEはエアアジアグループの旅行プラットフォームとして急速に拡大していたが、今回の判決によりセブ・パシフィック便の取り扱いは不可能となった。これにより、同プラットフォームの販売戦略は大きな修正を迫られることになる。

 セブ・パシフィックは燃料費高騰や機材不足による減便など厳しい経営環境に直面しているが、今回の勝訴はブランド保護の観点から大きな成果といえる。航空券販売の正規ルートを確保することで、利用者への直接的な情報提供や価格設定の透明性を維持する狙いがある。

 一方、AirAsia MOVE側は現時点でコメントを発表していない。GMA News Onlineは「取材に対し回答を待っている」と報じており、今後の対応が注目される。
【編集:Eula】
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