韓国政府と韓国観光公社は、外国人観光客の入国がソウルの国際空港に偏る構造を改め、地方都市の魅力を前面に押し出す新戦略を進めている。文化体育観光部と観光公社は今年4月、「地方空港国際観光ハブ化TF」を立ち上げ、清州(チョンジュ)や大邱(テグ)を拠点とする広域観光モデルを試行した。
その成果は早くも数字に表れている。観光公社によれば、2026年5月までに清州空港を利用した外国人観光客は5万人を突破し、前年同期比114%増。大邱空港も同期間に4万6000人以上を誘致し、訪韓市場の新たな軸として浮上した。

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 この動きについて、韓国紙「デジタルトゥデイ(DigitalToday)」は「地方空港を活用した観光戦略は、首都圏集中を緩和し、消滅の危機にある地方観光生態系を救う試みだ」と報じている。また「コリアタイムズ(The Korea Times)」は「清州や大邱を訪れる外国人客は、単なる通過点ではなく、地域文化を体験する入口として位置づけられている」と伝えた。さらに「聯合ニュース(Yonhap News Agency)」も「地方空港を拠点とする観光商品は、韓国の観光多様化に不可欠」と強調している。

 具体的な観光商品は多彩だ。清州空港から入国した観光客は、大田の聖心堂、保寧の泥祭り、太安の海洋治癒センターへと足を延ばすコースが整備されている。一方、大邱空港からは、合川の海印寺、晋州の燈籠祭り、釜山の海東龍宮寺を巡る「K-伝統文化ツアー」が代表例だ。これらは「韓国ヘラルド(The Korea Herald)」が「地方空港を起点とする観光は、単なる代替ではなく独自の需要を開拓する」と評価したように、既存の仁川経由観光とは異なる新しい需要を掘り起こしている。

 航空会社との連携も進む。清州を拠点とするエアロケイ航空、大邱を拠点とするティーウェイ航空と観光公社は協約を結び、年末までに356回の不定期便を確保。
中国の昆明や日本の松本など、従来直行便がなかった都市からの需要を取り込む狙いだ。観光公社は海外支社に専用ツールキットを配布し、即座に商品化できる体制を整えている。

 インフラ面でも改善が進む。清州空港連携の広域循環バスや需要応答型バスは上半期だけで7000人以上が利用。下半期にはQRやNFCによる簡易決済、ホテルと空港間の荷物配送、自動両替機や免税キオスクの導入が予定されている。自治体や韓国空港公社、軍当局も参加する「地域観光ガバナンス協議体」が設けられ、国際路線新設や規制緩和など課題解決に取り組んでいる。

 韓国観光公社の朴成赫社長は「地方空港を地域観光のハブとすることが、外国人観光客誘致の多様化と首都圏集中緩和の鍵だ。今年清州と大邱で検証した成功モデルを基に、2027年から他の地方空港へ事業を拡大する」と述べている。地方空港を起点とした観光戦略は、韓国の地域文化を世界に発信する新たな試みとして注目されている。
【編集:af】
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