大作ゲームには大作ゲームの魅力がありますが、インディーゲームには限られた規模だからこそ生まれる鋭い個性があります。

2026年6月18日に発売された『最終回収SQUAD』(Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/Steam)も、まさにそうした作品でした。
絶望的な状況から始まる物語ながら、その世界観に負けないほど魅力的なFPS体験をもとに、その魅力をプレイレポートとしていち早くお届けします。

なお、今回プレイしたのはニンテンドースイッチ2版となります。

■人類はすでに滅亡──絶望から始まる戦い
人類が存亡の危機に追い込まれた作品は数多くありますが、『最終回収SQUAD』の世界では、異星文明の兵器によってすでに人類は滅亡しています。人類の窮地を救うどころか、絶望が確定した後という、かなりハードな世界観です。

しかし人類は、ただ滅んだわけではありません。エイリアンの戦闘兵器を破壊できる特殊な武器の開発に成功しており、その武器を扱う群体兵器「コングラスユニット」も残存しています。

このユニットを操作し、限りある特殊武器を用いて、人類の意志としてエイリアンの撃退を目指す──それが本作の目的であり、プレイヤーに課せられた任務となります。

ゲーム進行はブリーフィングとFPSバトルで構成されており、群体兵器という設定の通りユニットは複数存在しています。そのため、ブリーフィングでは仲間からアドバイスやエールを受けるなど、ささやかな交流が楽しめるのも嬉しい点です。

ちなみに本作は、残機制を採用しています。残機とはそのまま戦闘ユニットの数であり、1体がやられると別のユニットが状況を引き継いで戦闘を継続するという仕組みです。同一ユニットの復活ではなく、破壊された個体はそのまま失われてしまいます。


しかも残骸は戦場にそのまま残るため、プレイヤーとしては「やられてしまった申し訳なさ」が湧いたり、「次こそは勝つ」とリベンジを誓ったりと、激戦に挑むシチュエーションへの没入感を促してくれました。こうした演出面のこだわりも、『最終回収SQUAD』が持つ魅力のひとつといえるでしょう。

■戦う前に始まる、命懸けの回収任務
ゲームの核となるのは、箱庭的なフィールドで展開するFPSです。序盤で使用できる特殊武器(メイン武器)はセミオートライフルのみですが、進行に応じてライフル、ガトリングガン、ショットガンなど多彩な武器が解放されていきます。

また、遠距離武器だけでなく近接用の装備も存在するため、状況に応じて使い分ければ戦局を有利に進められます。もちろん、好みの武器で戦い抜くのもアリでしょう。

ただし、戦闘が始まったら、戦う前にやらなければならないことがあります。それは「特殊武器の回収」です。

前述の通り、特殊武器は数が限られており、出撃可能な全ユニットにあらかじめ持たせるような余裕はありません。そのため、先に撃破されたユニットが持っていた武器を回収し、それを再利用して戦う必要があります。

一部ステージでは、初期装備が用意されている場合もありますが、基本は回収から始まります。回収する前に敵に見つかれば、弾幕の中を反撃もできないまま駆け抜けるのみ。
抗えない無力感から生まれる絶望は、何度体験しても生々しく湧き上がります。

だからこそ、武器を回収した時には「よくも好き勝手やってくれたな!」と、今度は闘争心に火が点き、一気呵成の反撃に移行。そこから1機、2機と敵を撃破していく快感は、滑らかな操作感も相まって、非常に心地よいプレイ体験を味わわせてくれます。

戦力差は圧倒的に不利ですが、特殊武器とプレイヤーの腕前が噛み合えば、絶望的な状況からでも十分に形勢を逆転できます。

なお、武器の回収は戦闘開始時だけではありません。戦闘中に撃破された場合、そのユニットが持っていた武器も、当然その場に残ります。次のユニットは別個体なので、当然武器は持っておらず、さきほど置き去りにした武器の回収が必須です。

そして「撃破された」ということは、高確率で周囲に敵兵器がいます。その危険地帯から、どうやって武器を回収するか。ここでも、プレイヤーの腕が問われます。

■絶望的な戦況を切り抜ける快感
特殊武器は種類ごとに長所が異なりますが、いずれも強力で、通常の敵であれば数発も当てれば撃破できます。巨大な敵が爆散する瞬間の爽快感は格別です。


ただし、本作は決してイージーなゲームではありません。ユニットの耐久力は低めなので、無謀な突撃をすれば即座に撃破されますし、慎重に動いていても判断を誤れば一転ピンチに陥ります。

そのため、無闇な突進は禁物です。都市部ではビル群を遮蔽物として活用し、包囲されないよう立ち回り、1機ずつ確実に処理していくことが生存に繋がります。

敵弾の多くは視認可能で、「見てから避ける」ことも可能です。ビルによる遮蔽はもちろん、的確な移動やジャンプを駆使すれば、数的不利でも十分に生存できます。ただし、地形を活かせず足を止めてしまうと一気に危険度が上がるため、周囲への警戒は欠かせません。

また、地形による遮蔽だけでなく、様々な装備もプレイヤーを助けてくれます。敵の索敵を妨害するものや視界を遮る煙幕などのサブ武器を活用すれば、メイン武器回収時のサポートから敵を撃破する火力の補強まで、幅広く活躍します。

さらに、特殊な効果を得られる補助装備もありがたい存在です。リロード時間の短縮や弾数増加など戦闘に直結するものが多く、重要度はかなり高いといえるでしょう。

敵兵器を倒すと「リソースチップ」(ゲーム内通貨)が手に入り、これを使ってサブ武装や補助装備を手に入れられます。
補助装備の中には、「チップ回収時に耐久力を回復する」といった嬉しい効果を得られるものも。継戦能力が大きく上がるので、個人的にもおすすめです。

敵は複数体での同時攻撃や高所からの射撃など、常に圧力をかけてきます。一度殲滅してもウェーブ形式で再出現するため、油断できる瞬間はほぼありません。

だからこそ、全ての敵を撃破し、「ニンムカンリョウ」の文字が表示された瞬間の達成感は、非常に大きいものになります。この快感を求めて次のミッションへ挑み、絶望と達成を絶え間なく繰り返すサイクルに、思わず没頭してしまいました。

■12メートル級の「可愛い」巨大メカ娘
こうしたゲーム的な魅力もさることながら、もうひとつ見逃せないのは、操作キャラも含めた「コングラスユニット」たちの魅力です。

ユニットたちは群体兵器ですが、人型を模しています。そして、全体的に丸みを帯びているため、少女型と称してもいいでしょう。

しかし、その全長は約12m。いわば、ビルサイズの存在が動いているに等しく、まさに「巨大メカ娘」と表現するのがぴったりです。

なお、人類はすでに滅亡していますが、犬は健在です。
その犬すら、巨大メカ娘たちにとっては、手のひらに乗せてもあまりあるほど。彼女たちがどれほど大きいのか、もはや語るまでもないでしょう。

そんな彼女たちは、兵器でありながらも人間味が強く、表情も非常に豊か。ビジュアルは同じでも、冷静に状況を判断する者、クールな眼差しでこちらを見つめる者、右手を振り上げてやる気を見せる者、自信ありげに振る舞う者など、立ち姿だけでも多彩です。

12m級の少女たちが集まり、誰もが諦めることを知らず、最後まで戦い抜く覚悟に満ちたブリーフィングルーム。そこから一歩外に出れば、多数の敵兵器が跋扈し、巨大メカ娘の残骸も転がる厳しい世界が広がっています。

過酷な状況にあって希望を見失わず、人類の意志を受け継ぎ、犬を大切にする巨大なメカ娘たち──これだけ尖ったシチュエーションには、ゲームといえどもなかなかお目にかかれません。

率直に言えば、新たな“癖”の扉も開きかねないほどです。それだけ、彼女たちが見せる表情は魅力的でした。世界が絶望的で厳しいからこそ、その笑顔が余計に眩しく映ります。

設定的にも物量的にも絶望感があり、戦闘も気が抜けない緊張感に満ちています。しかし、立ち回りや兵装の組み合わせで、戦局はいくらでも挽回可能。
移動やジャンプなどのアクションはスムーズで、プレイ感にストレスがないため、簡素ながら良質な料理を好きなだけ食べられるような満足感がありました。

ゲーム性自体は、戦うことが軸なので非常にシンプルです。また、クリアまでの時間を考えると、ボリュームも少なめかもしれません。しかし、通常価格1,500円(税込)で、濃密な世界観と緊張感あふれるFPSを2~3時間楽しめるため、決して割高感はありませんでした。

難易度を上げて2周目に挑んだり、別の武器で攻略するなど、繰り返し挑むスタイルが好きな人なら、その満足度はさらに上がるでしょう。

世界観は過酷、バトルは手応え十分、操作性は良好、巨大メカ娘は可愛い。シンプルな作りだからこそ、各要素が研ぎ澄まされた『最終回収SQUAD』は、ひとつでも興味を惹かれる要素があれば、触れてみる価値が十分にある作品でした。人類が滅んでも、巨大メカ娘の魅力に没頭すべき!
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