ついに、“不死身の医者”に終止符が打たれた――。

7月15日、厚生労働省東京都新宿・歌舞伎町の精神科医、伊沢純医師の医師免許取り消しを決定した(発効は7月29日)。

これまで伊沢医師は、リタリン不正処方、覚醒剤所持、性犯罪など多くの罪に問われ、7回逮捕されており、実刑判決も受けている。

「歌舞伎町では『じゅんじゅん』の愛称で知られ、望めば薬を簡単に出してくれる医師として有名でした。患者がほしがる薬を制限なく処方するため、2022年に逮捕されるまで、界隈の人間は頻繁に通っていましたね。逮捕されてもいつの間にか復活しているため、“不死身”と揶揄されていました」(元患者)

2022年の逮捕・収監を経て、2025年5月にはクリニックの営業を再開した。本誌は2022年、伊沢医師による凄惨な“患者虐待”の実態を取材している。

「殴る蹴るは当たり前。罵声を浴びせながら傘で私のことを突いたり、“お仕置き”と称して輪ゴムで自作したクリップで腕を挟まれたりして……つらかったです」

憔悴した様子でそう語ったのは、伊沢医師の元交際相手・Aさん(20代)だ。2人の出会いはクリニックだったという。

「もともと患者だった私が伊沢と交際を始めたのは、2021年の4月1日です。診療時間外に診察してくれた際、食事に誘われたのがきっかけでした。

10月に同棲を始めると伊沢の態度が豹変し、DVを受けるようになったんです。統合失調症の治療に用いられる『エビリファイ』など複数の薬を大量に飲むよう指示され、半ば洗脳された状態でした」

そして2022年2月、決定的な出来事が起きる。

「路上なのに、下着姿で伊沢の車の近くに落ちているゴミを拾うように命じられたんです。

私が言われるがまま脱いだら、人目を気にして本人はその場から逃げました。私はパニックになり、その場で叫びながらリストカットしてしまいました。病院に搬送され、腕を縫い合わせてもらったのですが、翌日、口論になった際、激高した伊沢に縫ったばかりの傷を引き裂かれたんです。

神経も切れてしまい、左手首から先の感覚がありません。これでやっと目が覚め、警察に被害届を提出しました」

一方、別の元患者の男性は、伊沢医師の驚くべき医療行為を明かす。

「メモ帳にほしい薬を書いて持っていくと、ほしい分だけの薬を処方してくれました。診察時間は1分未満。病院というより“薬局”です」

異常なのは処方だけではない。薬を利用して精神的に不安定な女性を食い物にしてきたといわれている。女性患者のBさんが語る。

「3回ほど通院したころ『薬をたくさん処方してあげるから触ってくれ』と診察室で突然、性器を見せられました。

危険を感じてすぐに帰りましたが、別の日には『触ってくれれば痩せる薬をあげるよ』とも言われました」

さらに、保険証を悪用されたという女性患者・Cさんもいる。

「2020年11月、不眠を改善したくて訪ねました。『きれいな小麦肌だね』と言われ、太ももを触られました。そして初診では7種類の薬を毎日、19錠飲むように指示されました。

しかも初診の翌日、伊沢は私の保険証の住所を見て自宅に来ると『中に入れてほしい』と言ってきました。断ったら、ポストに毎日、大量の薬を入れられるようになったんです。結局、1週間で500錠渡されました。いまでも薬の後遺症に苦しめられています」

その後、2026年4月には女性患者に対する不同意性交の疑いで逮捕。医師免許取り消しが決定した後も、伊沢が開業している「東京クリニック」のHPは“通常営業”を続けていた。

被害を受けたAさんの父親は、伊沢医師について複雑な心境を告白する。

「免許取り消しになったこと自体は前進だと思いますが、あまりに遅すぎました。もっと早く対応できなかったのかという思いは拭えません。

最初の逮捕から長い年月があり、娘のことを含めて防げた事件もあったのではないかと考えてしまいます。

一度の違反で厳しい処分が難しい事情は理解できますが、少なくとも2度めの重大な違反があった時点で、より踏み込んだ対応を取るべきだったのではないでしょうか。同じ過ちを繰り返させない制度づくりが必要だと感じます。

彼が娘の件で逮捕される前、自宅に『娘を返せ』と何度も嫌がらせの電話がかかり、罵倒されることもたびたびありました。私の職場にもかけてくることもあり、とても正常な精神状態だったとは思えません。そんな人がいままで精神科医として働けていたのかも疑問です。

これで被害に遭う方がいなくなったと思うと、安心感はあります」

医師としての罪は重い。

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