以前いい雰囲気になったことのある男性から久しぶりに連絡がきたら、ドキドキしてしまいますよね。今回は、そんな経験をした女性のエピソードをご紹介しましょう。


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気になっていた彼からのDM

橋本佳純さん(仮名・29歳)のインスタに、以前の職場で同僚だった祐太さん(仮名・28歳)から久しぶりにDMが届きました。

「実は祐太くんとは何度かデートをしたことがあって、ちょっとだけいい雰囲気になったこともあったんですが……。その頃ちょうど元カレと再会して復縁したので、それっきりになっていたんですよね」

祐太さんと、元同僚との懐かしい話や近況報告などをしていたら唐突に「やっぱり佳純さんとのやり取りは楽しいな。僕最近コーヒーに凝ってるんだけど、よかったら今度一緒にどうですか?」と誘われたそう。

「しかも『どうせなら軽く登山をして、頂上でコーヒーっていうのはどう? 絶景と綺麗な空気の中で飲むコーヒーはきっと美味しいと思うし。もちろんバーナーやケトルとか一式全部持っているから任せて』と言われて。『何それ楽しそう! ていうかそれってガチのデートだよね』と思いつつ興味をそそられたんですよ」

優雅で素敵な登山デートの始まり

気になる彼と登山デートに行ったのに…ある瞬間「もうナシだ」と一気に冷めたワケ
ヒルで幻滅
山でコーヒーを淹れてもらえるなんて、なんだか優雅で素敵な時間が過ごせそうだと感じた佳純さんは、祐太さんにOKの返事をしました。

「ちょうどその頃、復縁した元カレとも別れてフリーだったし、祐太くんは話しやすいうえに中性的で可愛らしいイケメンだし……正直アリかもしれないとワクワクしたのを覚えています」

そしてデート当日。祐太くんの車で、都内に近くピクニック気分で登ることのできる某山まで行き、登山をスタートさせたそう。

「祐太くんは相変わらず明るく朗らかで、『コーヒーなんだけど、酸味のあるタイプと苦味のあるタイプのとどっちが好み? どっちもちゃんと持ってきてるからね』と、私を喜ばせようとしているのが伝わってきて嬉しくなりました」

お天気は晴天。いかにもな登山日和で大変気持ちが良く、すれ違う登山客と挨拶を交わしながら、山中の非日常な風景を楽しみました。

「急な石段を登る時には、祐太くんが手を差し伸べてくれて、一瞬手を繋いだりして。『やっぱりこのまま付き合っちゃうのかな?』と胸をときめかせていたんですが……」

“あれ”の登場でまさかのパニックに

さて2人の間に何が起こったのでしょう?

「なぜか急に祐太くんが奇声を上げながら、信じられない速さで足をバタバタさせて、昔懐かしいカズダンスのような動きをしだしたんです。ビックリして、『どうしたの?!』と声をかけたんですよ」

すると祐太さんは涙目で自分の足を指差しました。よく見てみると祐太さんの足首には、血を吸って膨れあがったヒルがくっついていたそう。


「思わず私が『ヒルだ!』と叫んだら、かえって祐太くんの恐怖心を煽ってしまったみたいで。『嫌だ! 嫌だ! とってよ!』とせまい山道でのたうち回り始めてしまって。私がうろたえていたら、私たちの後ろからきたカップルの男性の方が『大丈夫ですか?』と駆け寄ってきてくれたんです」

佳純さんが「彼の足首にヒルが……」と説明すると、その男性は「心配いりませんよ。とにかくじっとして」と祐太さんの肩をさすりながら落ち着かせました。そしてヒルをサッと取ってくれ、笑顔で去って行ったんですよ」

盛り上がらないままデート終了

その男性の物怖じしないどっしりとした態度と、困っている人を当たり前のようにテキパキと助ける姿がとても眩しく見えました。

「誰にでも苦手なものはあるし、私だってヒルは嫌いです。でも祐太くんのその常軌を逸した怖がりっぷりが、我を失いすぎていて見ていられないっていうか……申し訳ないけど、正直ドン引きしてしまったんですよね」

その後祐太さんが「ごめんね、もう大丈夫だから山頂で美味しいコーヒー飲もう! おしゃれなお揃いのカップも買ってきたし、デパ地下のお菓子もあるから」と必死にデートの仕切り直しをしようとしましたが、もう佳純さんの気持ちは元には戻らなかったそう。

気になる彼と登山デートに行ったのに…ある瞬間「もうナシだ」と一気に冷めたワケ
ジャッジする女性
「もし私の足にヒルがついていたら、きっと祐太くんは取ることができないと思うんですよ。ですが、お付き合いをすることになったらヒルどころかもっと怖いものや困難が襲ってくることもあるかもしれない。そういう時にどうする気? と考えたら……もうナシだなとしか思えなくて」

佳純さんは「別に美味しいコーヒーが淹れられなくても、おしゃれなカップや高級なお茶菓子を用意してくれなくてもいい。そんなことより、とにかく非常時にも自分を見失ったりせずに、冷静で頼りになる男性じゃないと嫌だ」と強く思いました。

「その時点で恋愛感情がすっかり冷めてしまっていた私は、祐太くんに『ごめんなさい。ここでさよならしましょう。
祐太くんにぴったり合う彼女ができるように祈っているね』と背中を向けると、一度も振り返らず下山したんですよ」

男性へ求めるものが明確に

そして祐太くんは追いかけてきたりしつこく連絡してきたりせず、静かに身を引いてくれ、佳純さんは「やっぱり優しいな」と思ったそう。

「祐太くんが悪い人じゃないのは重々承知していますし、私の心が狭いだけかもしれません。ですがもしあのまま付き合ったとしても絶対に上手くいかなかったと思うし、祐太くんには悪いけど、私にはこの決断しか考えられませんでしたね」

ですが今回のこの騒動のおかげで、自分が男性に求めているものが明確になり感謝しているそう。

「実は、自分の基準が定まった途端にすぐ新しい彼氏ができたんですよ(笑)。きっとそれまで、相手に求めるものが曖昧だったからよく失敗していたんでしょうね」と苦笑いする佳純さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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