【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.211】

「めぐり逢えなかったらきっと、笑顔の少ない色あせた人生を送っていたでしょうね」

亡き愛猫ゆずちゃん(享年・推定21)のことを、そう語るのは飼い主あやさん(joekunyuzupon)。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18...の画像はこちら >>
 好物のおやつや生前の写真が置かれたゆずちゃんの祭壇は、賑やか。
あやさんは今も、愛猫に愛を注ぎ続けています。

死産した子猫をぶら下げて歩く野良猫を発見

2005年のお正月、ゆずちゃんは庭に迷い込んできました。顔は汚れ、体はガリガリ。険しい目をしていました。

「お尻から、早産で亡くなった赤ちゃんをぶら下げて歩いていました」

衰弱死の危険があると思い、あやさんは保護を決意。ご飯でおびき寄せて捕獲できたのは、出会いから1週間後のことでした。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
当時、ゆずちゃんは推定3~4歳。人馴れは難しいように思えたため、避妊手術をしてリリースしようと思っていました。

しかし、医師から「産後3ヶ月ほど経たないと避妊手術ができない」と言われ、3ヶ月間、一緒に暮らすことに。自宅には先住猫ジョーくんがいたため、まずはケージで暮らしてもらいました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
先住猫のジョーくん(右)
「ケージ内では大暴れ。人の目があると、ご飯も食べずに唸り続けました」

ゆずちゃんとジョーくんは、ケージ越しに激しく威嚇し合ったそう。人慣れ、猫慣れにいいことはなんでも試そうと思い、絵本を読み聞かせたり、構わないように意識したりしましたが、ゆずちゃんはなかなか心を開いてくれませんでした。


庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
しかし、信用してもらえない状態であっても情が湧き、正式に家族としてお迎え。ゆっくりと距離を縮めていきました。

保護から半年後の“嬉しい変化”に涙!

嬉しい変化が起きたのは、保護から半年後のこと。ゆずちゃんは膝に手をかけ、あやさんの顔を覗き込んだのです。以後、ゆずちゃんは気の強い甘えん坊になっていきました。

「ジョーくんにグルーミングをせがむのに、やり方が気に入らないと叩くんです(笑)私がジョーくんを撫でていると間に割り込んでくることもありました」

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
保護から1年後には、ジョーくんと並んでご飯が食べられるように。愛が募り、あやさんは「おかあさんのかわいいゆずぽん」というテーマソングを制作。家に猫しかいない時や通院時に歌うようになりました。

ゆずちゃんの体調に変化が見られたのは、推定13~14歳の頃。慢性腎不全と貧血が発覚し、服薬と週1回の点滴が始まりました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
「次第に週1回では足りなくなってきたのと通院のストレスを減らすため、翌年の2016年からは自宅で毎日、点滴するようになりました」

2年後の2018年には、急性膵炎を発症。対処療法しか術がなく、激しい嘔吐や下痢、腹痛を薬で抑える日々。あやさんは別れも覚悟しましたが、ゆずちゃんは奇跡のV字復活を遂げてくれました。


しかし、翌年にはジョーくんが逝去。ゆずちゃんは寂しさからか、過剰グルーミングをして脇の下をなめ壊しました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
ストレスなく患部を守るため、ケープを手作りした
「しばらくの間は、鳴きながらジョーくんを探していて胸が苦しくなりました」

酸素室もレンタル…愛猫の命を紡ぎ続けた日々

2年後の2021年には、ゆずちゃんに異変が…。呼吸が荒くなり、咳をし始めたため、動物病院へ駆け込むと、心筋が厚くなって心機能が低下する「肥大型心筋症」と、肺に水が溜まる「肺水腫」が発覚しました。

あやさんは、薬を水で溶かして与えるなど飲ませ方を試行錯誤。呼吸困難を防ぐため、動物用の酸素室をレンタルしました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
献身的なケアにより、容体は安定。しかし、2023年3月中旬、頻尿や血尿の症状が現れ、膀胱炎と診断されました。
投薬により、膀胱炎は改善するも、トイレの失敗が増え、おむつデビュー。食欲は低下し、やがて、水も欲しがらなくなりました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
晩年は、体温調節のために洋服を着せていた
「何度も奇跡的に復活してくれましたが、いよいよお空に還る準備をしていると悟り、家事もそこそこに1日中ゆずぽんを抱っこする日を送るようになりました」

2023年3月29日、ゆずちゃんは意識が朦朧とした状態に。翌日の早朝には、手が痙攣し始めました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
亡くなる前日は、一緒に布団で眠った
「痙攣の間隔は徐々に開いていき、5時に止みました。
心臓が止まっても聴覚は最後まで残っていると聞いたことがあったので、亡くなってからもしばらくは『ゆずぽん大好き!ありがとう!』と声をかけ続けました」

看取り後に押し寄せた“悲しみと後悔”

生前、あやさんは室温を一定に保ち、嘔吐予防のために毎日のブラッシングを欠かさないようにするなど、ゆずちゃんへの愛が伺えるケアをたくさん行っていました。しかし、それでも本人は「特別な配慮をほとんどできなかった」と後悔しています。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
愛猫ゆずちゃんの祭壇
「仕事で留守がちだったので、1日1回は猫のための時間を設けて一緒に遊んだりスキンシップをしていたくらいです。シニア期に不調が出てから初めて療法食やサプリメント、液体歯磨きを使用するようになりました。長生きできたのは、もともとの生命力が強かったんだと思います」

愛猫の死から3年経った今も、悲しみや寂しさ、闘病を頑張らせてしまったという後悔に襲われることはあるそう。ただ、知人から言われた「あなたが後悔していることについて、2匹はあなたを恨んでいると思う?“大好きなお母さん”と思って、今もあなたを見守っているはずでしょ?」という言葉に、心が少し救われました。

庭に現れたのは、死産した子猫をぶら下げた野良猫。そこから18年続いた“奇跡の猫生”とは
あやさんの愛猫ゆずちゃん
「長生きも人慣れも多くは期待していませんでしたが、ゆずぽんは保護から18年も生きてくれ、最後は腕の中で旅立ち、立派なニャン生を全うしてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです」

お骨になったゆずちゃんは今、手作りの骨壺カバーに包まれ、ジョーくんの隣であやさんを見守っています。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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