いまや50歳時の未婚率は、女性で17.8%。6人に1人が一度も結婚していないという統計があります。


人生100年時代、たとえ結婚していても伴侶に先立たれたら誰もが「おひとりさま」になる可能性を考えると、「老後の不安」は他人事ではありません。

今年59歳を迎えたメンタルコーチで累計著書113万部の作家・ワタナベ薫さんは、同世代の女性たちからそうした悩みを日々相談されるなかで、新刊『おひとりさまの生存戦略 人生100年時代をご機嫌に生きるスキル』を上梓しました。

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自身も離婚を経験し、おひとりさまとして生きるワタナベさんの著書から、老後の「孤独死の不安」について、今からできる備えや心構えを紹介します。

20人に1人が自宅でひとりで亡くなっている

「誰にも看取られずに部屋でひとりで……」という孤独死の不安。

警察庁の最新の発表によると、年間約7万6000人、なんと日本の全死者の「約20人に1人」が自宅でひとりで亡くなっているそうです。

この数字を見るとゾッとするかもしれませんが、ちょっと待ってください。

民間の調査データによれば、孤独死の8割以上は「男性」です。女性はご近所付き合いや友人とのLINEなど、日頃から人とつながるコミュニケーション能力が高いため、万が一倒れてもすぐに誰かが気づいてくれるケースが多いのです。

つまり、私たち女性は「ほんの少しの準備と、人とのつながり(セーフティネット)」さえ意識しておけば、悲惨な状態で発見される孤独死は確実に防ぐことができます。むやみに怯える必要はありません。

しっかりと手を打っておけば、それは誰にも気づかれない惨めな孤独死ではなく、住み慣れた我が家での「満足死(自宅死)」になるからです。

見方を変えれば、これほど贅沢で理想的な亡くなり方はない、と言えるかもしれません。

「孤独死」の正体は、「発見の遅れ」である

「孤独死」は不幸じゃない。保証人も死後の手続きも“外注”できる時代、おひとりさまが「安心」をお金で買う賢い選択
画像はイメージです(以下同)
そもそも、ひとりで死ぬこと自体は不幸ではありません。

病院のベッドで管につながれて、大勢の親族に見守られて死ぬのが幸せでしょうか?

私は、好きな音楽を聴き、好きなアロマの香りに包まれて、ひとり静かに息を引き取る方がよっぽど「贅沢」だと思います。


私たちが本当に恐れているのは、「死ぬ瞬間」ではなく、「死んだ後に長期間発見されず、周囲に迷惑をかけること」ではないでしょうか? つまり、「早く発見さえしてもらえれば」、それは孤独死ではなく、立派な「自宅での大往生」なのです。

ただ、自宅で転倒して骨折したとか、軽い脳梗塞で動けなくなったとか、命にかかわる病気ではないものの、すぐに助けが必要な緊急事態もあることでしょう。

「ご近所さん」より確実な「ITの見守り」

では、自分に万が一のことがあった時、どうすれば早く発見してもらえるか。

ここで「ご近所付き合いをしなきゃ」と無理をする必要はありません。今は、安価で優秀な「見守りサービス」がたくさんあります。

・ポットでお湯を使ったら家族に通知がいくサービス
・トイレのドアが一定期間開閉されなければ、警備会社が駆けつけるセンサー
・毎日LINEで「元気?」とスタンプを送り合うアプリ

月額数千円で、セコムや郵便局、NPOなどがあなたの安否を見守ってくれるシステムなどがあります。

なんと便利なのでしょう! 人間関係の煩わしさなしに、「安心」だけをお金で買う。そんな方法があると知るだけで、ホッと胸を撫で下ろすことができますね。

病院と施設は、「保証人なし」では入れてくれない

一方で、日本社会の厳しい現実もあります。

どれだけお金を持っていても、病院への入院や、老人ホームへの入居には、必ずと言っていいほど「身元保証人」を求められます。

ここで多くの人が、「姪っ子に頼めばいいわ」とか「兄弟にお願いしよう」と安易に考えがちです。しかし、そんな簡単なものではないのです。

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病院
身元保証人のハンコを押すということは、単なる「緊急連絡先」になることではありません。

万が一の時の「医療費・入居費の支払い義務(連帯保証)」と、亡くなった時の「遺体の引き取り手」になるという、非常に重たい法的・金銭的責任を負わせることなのです。


私の場合ですが、そんな重荷を家族や親族に背負わせたいとは思いません。

家族代行のプロ、「身元保証サービス」

ではどうすればいいか。ここでも解決策の一つとして知っていてほしいのは、アウトソーシング(外注)です。

今は家族に代わって保証人になってくれる「身元保証サービス」を提供するNPO法人や民間企業がたくさんあるのをご存じでしょうか。

ただし、気をつけなければならない点もあります。

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スマホを持って考える女性 アップ
おひとりさまにとって命綱となるこれらのサービスですが、利用者が急増しているからこそ、消費者庁なども注意喚起を行っています。

契約の際は、以下の「落とし穴」に気をつけてください。

① 「預託金(前払い金)」の扱いはどうなっているか?
まとまったお金を先に預ける場合、「もしその会社が倒産したら預けたお金はどうなるのか(信託口座などで保全されているか)」を必ず確認してください。

② 「解約」は簡単にできるか?
後から事情が変わって解約したい時、高額な違約金を取られないかチェックしましょう。

③ パッケージ内容に「不要なもの」はないか?
必要なサービスだけを選べるか、不要なものまでセットにされていないかを見極めることが大切です。

このような契約は、人生の終い方を決める大切なものです。その場で即決せず、契約書を持ち帰って、信頼できる友人や専門家、あるいはお近くの「消費生活センター」への窓口となる「消費者ホットライン(局番なしの188)」などに相談してからハンコを押すようにしてください。

自分が死んだ後の後始末、「死後事務」の予約

そしてもう一つ、忘れてはいけないのが「死後事務(しごじむ)」です。人が亡くなると、葬儀や埋葬だけでなく、驚くほど地味で面倒な作業が残ります。


・携帯電話やクレジットカードの解約
・SNSアカウントの削除
・住んでいた部屋の片付けと退去手続き
・病院代の精算
・住民税の納付や健康保険証の返納

これらは、法律上の「遺言書」には書けない(書いても法的効力がない)事務作業です。

何の準備もしなければ、これらすべてが、残された子供たちや、独身者であれば兄弟や疎遠な親族の肩にのしかかります。彼らは泣く暇もなく、あなたの部屋の片付けや役所回りをさせられるのです。

これを防ぐのが「死後事務委任契約」です。

司法書士や行政書士、あるいは専門の業者と生前に契約を結び、「私が死んだら、スマホを解約して、部屋を片付けて、SNSを消してください」と依頼し、その費用をあらかじめ預けておくのです。

依頼する内容にもよりますが、手続きの報酬や実際の清掃代などを含めて、おおよそ100万円~200万円程度のお金を「前払い(預託)」しておくケースが一般的です。

決して安い金額ではありません。しかし、自分が一生懸命働いて遺したお金を使って、「立つ鳥跡を濁さず」の美しい引き際を買うことができるのです。

綺麗にこの世を去る「おひとりさまの美学」

誰にも迷惑をかけず、綺麗にこの世を去る。これこそが、家族への最後の贈り物としての「愛」であり、おひとりさまの究極の美学ではないでしょうか。

私の10歳年上の友人Мさんは、2、3年前からコツコツとその手続きを進めていて、私も大いに影響を受けました。

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ワタナベ 薫さん
今、私自身も少しずつその準備を始めており、そのリアルな内容をこうして執筆できています。
面倒な作業とリスク管理は、お金を払ってプロへ……が、誰にも迷惑をかけず、最期まで誇り高く生きるための、私の最終戦略です。

そうして老後の不安要素を一つ一つ明確にして、課題をクリアしていけば、あとは残りの人生を楽しむだけです。これらは恐れを回避するための準備ではなく、残りの人生を豊かにするための準備なのです。

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ワタナベ 薫『おひとりさまの生存戦略 人生100年時代をご機嫌に生きるスキル』
<文/ワタナベ薫>

【ワタナベ薫】
1967年5月30日生まれ。宮城県仙台市在住。株式会社WJプロダクツおよび株式会社Kaoru代表取締役。 通信制大学にて仏教を専攻する現役大学生でもある。
国内最大級のオンラインサロンやコーチング養成スクールを運営。コーチングメソッドをベースに、美容・健康、マインド、自己啓発を独自の視点で分析し、女性が心身ともに美しく、自立して生きるためのヒントを精力的に配信している。オーガニック商品やアパレル販売などの実業も多角的に展開。著書累計113万部、SNS総フォロワー数60万人超。「未来手帳」シリーズは11年連続刊行、累計22万部を突破。

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