7月から続々と夏ドラマの放送が開始している。『VIVANT』(TBS系、日曜21時~)を楽しみにしていた人は多そうではあるが、夏ドラマはかなり豊作と言っていい。
そこでドラマ好きの筆者が「最終回まで見たい!」と思った夏ドラマを5つ紹介したい。

安心の松村北斗主演『告白-25年目の秘密-』

 まずは『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系、土曜21時~)。『夜明けのすべて』『ファーストキス 1ST KISS』『九条の大罪』など、注目作に出演し、いずれも好演してきた松村北斗が主演ということで見ない理由がない。

今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVAN...の画像はこちら >>
 松村演じる雪村爽太は小学生の時からの想い人・野瀬麻里子(岡崎紗絵)を追って、大学や職場も同じ。また、麻里子の身辺調査に余念がなく、麻里子の交友関係はほぼ把握している。言ってしまえばストーカーだ。危害を加えないだけマシではあるが、ちゃんと気持ち悪い。

 映画『秒速5センチメートル』で演じた遠野貴樹のウジウジした雰囲気を含みながらも、愛情という感情の扱い方が独りよがりになってしまった印象だ。だからなのか、パソコンで個人名を検索している姿がよく似合う。それでも、爽太への不快感を最小限に抑え、視聴者に「純愛なのでは?」とさえ錯覚させるのは、松村の演技力あってこそ。

 また、爽太と麻里子の同僚が殺害され、その犯人が爽太であるように映している。ただ、裏でほかのだれかが暗躍している可能性も高い。“犯人探し”も楽しめる構成になっている。


真新しい不倫もの?『Tシャツが乾くまで』

『silent』(フジテレビ系)や『海のはじまり』(同)の脚本家としてもお馴染みの生方美久が手がける『Tシャツが乾くまで』(TBS系、金曜22時~)も注目したい。バスの転落事故をキッカケに、瀬尾咲子(蒼井優)の夫・充(松山ケンイチ)と、園田樹生(中島歩)の妻・あずさ(夏帆)の不倫疑惑が浮上し、咲子と樹生がその真相に迫る様子を描く。

今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVANT』も話題だけど、秀逸なのが“金曜ドラマ”
画像:『Tシャツが乾くまで』TBSテレビ公式サイトより
“不倫もの”と聞くと、「愛憎」「復讐」といった物々しい言葉が連想されるが、静かにその関係が明らかになっていく様子はリアリティがあり、真新しさもある。不倫という切り口をきっかけに、私たちが安心して生活を送るために、普段から目を背けているものを突きつけてくれそうな、そんな期待感と怖さがある。

 また、樹生が母親・里実(長野里美)と会話するシーンもゾワゾワさせられた。“毒親”とまでは呼べないものの、確実に我が子の心をえぐる言動を見せる母親の姿に、嫌な記憶が呼び起こされた人も多いのではないか。円満家庭でも虐待家庭でもない、「不自由なく育ててくれたものの居心地が悪い」という、ある意味等身大の親子のやり取りにも注視したい。

鬼塚が令和とどうぶつかるか?『GTO』

 次は『GTO』(カンテレ・フジテレビ系、月曜22時~)。見る前は正直“今さら感”もあり、かつての『GTO』の記憶が悪い意味で上書きされるのも怖かった。あまり期待せずに見たが、“令和の『GTO』”として納得感のある内容だった。

今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVANT』も話題だけど、秀逸なのが“金曜ドラマ”
画像:『GTO』カンテレ公式サイトより
 私立誠進学園に赴任することになった鬼塚英吉(反町隆史)。誠進学園はタブレット端末の活用を推奨しており、生徒たちはクラスメイトや教師ではなくタブレットばかりを見ている。また、生徒が教師の授業や態度を評価する「教師フィードバック制度」を気にするあまり、“鬼塚らしい”ムーブもとれていない。

 熱血教師が現代に求められていない現在、時代に取り残されている鬼塚の姿には寂しさを感じる。
ただ、その熱さで、徐々に生徒と心を通わせる姿は“鬼塚”であり、いつか壁をハンマーで壊すようなことにも期待したくなる。

 2話では、生徒・伊藤結(稲垣来泉)の熱望によりマスゲーム部を作る流れになったが、マスゲームが『3年B組金八先生』シリーズのソーラン節のようにクラスをひとつにする鎹(かすがい)になるのかも注目したい。

趣里の演技がクセになる『大空港~GATE24~』

『大空港~GATE24~』(テレビ朝日系、木曜21時~)も毎週待ち遠しいドラマだ。空港の各部署からメンバーが集められた新設部署「GATE24」に所属する森万智(趣里)たちの奮闘を描いた作品で、良い意味で“テレ朝らしい”。架空の部署ではあるが、視聴者を置いてけぼりにはせず、安心して見ていられる。

今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVANT』も話題だけど、秀逸なのが“金曜ドラマ”
『大空港~GATE24~』(テレビ朝日公式サイトより)
 1話はほぼほぼ空港内で物語が進行しているため、単調さを覚えそうだ。ただ、最後まで視聴できた要因として、万智の放つ異様さが挙げられる。洞察力の鋭さ、豊富な知識量を持つが、どこかマイペース。とはいえ、1人で突っ走るわけではなく、周囲とうまく連携して対応する協調性もある。

 万智という“良い人ではあるけどミステリアス”というバランスが難しいキャラを、趣里がうまく乗りこなし、さらにはミステリアスさを上積みさせており、ついつい目が離せなくなる。

 また、1話ラストでは心地よい“裏切り”もあり、“お仕事もの”では終わらせない展開感も面白い。テレ朝のドラマはシリーズ化するケースが少なくないが、本作もそうなっていくことに期待したくなる。

引き込まれる展開『夫婦と16歳~狂気の隣人~』

 最後は『夫婦と16歳~狂気の隣人~』(テレビ東京系、木曜深夜24時30分~)。
自認16歳で実際は61歳の女性・白石美子(かたせ梨乃)が隣人の既婚者・野村紘(豆原一成)に求愛する姿を描いた“ホラー作品”だ。

今期は豊作! 最終回まで見届けたい夏ドラマ5選。『VIVANT』も話題だけど、秀逸なのが“金曜ドラマ”
画像:『夫婦と16歳~狂気の隣人~』テレビ東京公式サイトより
 紘の妻・冴(岡田結実)が紘の惚気話をしている際に美子はつまらなそうな顔で漬物を食べるなど、面白いシーンもあれば、紘と冴の温泉旅行中の写真にわずかに美子が映り込んでいたりといった、怖いシーンもある。怖さと可笑しさを同時に魅せている作品ではあるが、「自分のことを16歳と思い込んでいる痛い高齢女性」という出オチ感はあった。

 しかし、4話で美子が自分の人生を語るシーンを見てから一気に面白くなった。美子は野村夫婦と仲を深めていくが、これから美子は野村夫婦の味方になるのか、はたまた敵になるのかも不透明で、どのようなラストを迎えるのか楽しみだ。

 夏ドラマは豊作であり、2024年にNHK BSなどで放送され、7月から地上波放送中の『団地のふたり』(NHK総合、火曜22時~)もゆったりと楽しめる作品で、今回取り上げた5作品とは異なる面白さがある。普段ドラマを見ない人も、せっかくなので好きな作品を見つけてみてはどうか。

<文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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