2025年、ブラジルで1人の少女が教会を訪れ、助けを求めた。親の虐待から逃れてきたと訴えるその少女を、ある一家が迎え入れた。
だが実は「少女」の正体は37歳の成人した女性だった。彼女は12歳の少女になりすまし、14か月にわたって善意の一家に養われて暮らしていたのである。
いくらなんでも無理があると思うかもしれない。だが、現地では多くの人々が、彼女をかわいそうな子供だと信じてしまったらしいのだ。
37歳の女性が12歳と年齢を偽って保護してもらう
この女性の名前はアマンダ・マリア・ソウザ・デ・オリベイラという。
事件は2026年6月2日、ブラジルのジョインヴィレ市ピラベイラバ地区のとある住宅で、警察がアマンダ容疑者を逮捕した後に発覚した。
調べによると、彼女は2025年のはじめ、ジョインヴィレ市内の教会を訪れて「ガブリエレ」という偽名を名乗った。
そして「自分は12歳で、北部のパラー州で親から虐待を受けており、家出してここまで逃げてきた」と説明した。
教会のコミュニティの人たちは、「ガブリエレ」の境遇に同情し、経済的な支援や住まいの手配を行った。
そして最終的に、ある一家が彼女を自宅に迎え入れた。一家は「ガブリエレ」を本当の娘のように扱い、12歳の誕生日パーティーを開いてくれた。
さらに高価な肥満治療薬の費用も負担したほか、正式に彼女と養子縁組することも検討していたという。
巧妙に作り上げた「大人びて見える設定」
いくら何でも「37歳で12歳のふりをするのは無理があるのでは?」と思うのだが、アマンダは自分は自閉症など複数の疾患を抱えていると説明。
年齢よりも大人びた外見については、自分が非定型(発達障がい)であること、幼少期から虐待を受けてきたことが原因だと話した。
さらに彼女に売春をさせるために、父親から年上に見えるホルモン剤を強制的に投与されてきたとも話していたそうだ。
彼女は甲高い声で話し、おしゃぶりや哺乳瓶を使ったり、寝るときは「安心できる布」を離さなかったりといった、「子供らしい振る舞い」を続けていたという。
また、夜中に突然パニックを起こして見せるなど、自分が本当に「保護を必要とする子供」であると養父母に信じ込ませようともしていたらしい。
ライナスの毛布的な演出はまだわかるが、12歳でおしゃぶりや哺乳瓶は、むしろ怪しさMAXな気もするのだが…。
さらに「ガブリエレ」は学校に通うことを拒否し、本来なら歓迎すべき養子縁組の話し合いも避け続けていた。
彼女は、学校へ通えば父親が自分の居場所を突き止めるだろうと一家を説得し、学校に行かせないよう頼んでいたそうだ。
不審に思った親族の調査で発覚
だがこんな生活が続くうち、一家の親族の中にも、さすがに不審に思う人が現れた。その親族は、インターネットで同様の事例がないか検索してみたという。
するとなんと、アマンダはこれまでブラジル国内の7つの州で同様の詐欺事件を起こしており、実際には37歳であることが判明したのだ。
この親族は、すぐに警察に通報した。6月3日、アマンダは自宅で逮捕された。下は彼女の逮捕を報じた現地のニュースである。
公開された写真を見ると、どう見ても実年齢相応にしか見えないのだが、いっしょに暮らしていた一家はなぜ疑いを抱かなかったんだろう。
「黒魔術の被害者」を装うため身体に100本以上の針を刺す
2023年7月にはリオデジャネイロ州のノヴァ・イグアスで、「マリア・エドゥアルダ」という偽名を使い、12歳の少女に成りすました。
今回と同様に、自分が自閉症であること、虐待や黒魔術の儀式を受けていたと主張し、現地の元市議会議員やボランティアを騙して支援金を得ていたという。
彼女は、父親に売春を強要されていたことや、父親が魔術の儀式に関わっていたことなどを話していました。
彼女は、ヒッチハイクをして逃げてきたのだと話していました。私は友人たちに協力を呼びかけ、家を借り、彼女の面倒を見ていたんです
アマンダを助けたボランティアは、当時の様子をこのように振り返る。
彼女は肥満気味で自閉症の10代の少女のように見えました。話し方も子供そのものでした
この時アマンダは、自分が「悪魔崇拝の儀式の犠牲者である」というストーリーを説得力のあるものにするため、自分の身体に100本以上の針を刺していた。
このボランティアはだんだんアマンダの言動に疑念を抱くようになり、病院での検査を手配したという。
彼女の体から針が出てくるようになったため、検査を受けさせました。医師は驚いた様子で、「長年この仕事をしてきたが、こんなケースは見たことがない」と話していました
レントゲン検査の結果、彼女の体内には実際に100本以上の針が刺さっていることも判明した。
アマンダはこの検査を受けた直後に逃亡し、11月になって今度はマットグロッソ・ド・スル州カンポグランデに姿を現した。
ここでの彼女は「ガブリエリー・ドス・サントス」という名前の13歳の少女を装って、保護施設に入ろうとしたそうだ。
だがすぐに発覚し、警察で事情聴取を受けた。
カンポグランデでは彼女は詐欺行為を行っていなかったため、年齢詐称で厳重注意を受けるにとどまった。
その後、いくつかの州で同様の事件を起こしながら、2025年にジョインヴィレ市の教会へ姿を見せたのだ。
「どう見ても12歳には見えない」との声も
この事件を知った現地の人たちからは、「12歳には見えない」「なぜ騙されたのか」と、疑問を投げかけるコメントが殺到した。
- 正気かどうかの検査を受けるべきなのは、彼女じゃなくて、これを12歳だと信じた人たちだろう
- どっちがおかしいのかわからないな。この詐欺師か、それとも12歳だと信じた人たちのほうか…
- みんな、12歳でこんな顔の子がいると思う?
- この女性が12歳だなんて誰が信じるんだ?
- なんて奇妙なんだ。まるでホラー映画の筋書きみたいだ
- こんな大きな女性を養子にしようなんて、誰が思うんだ?
- 背が低いせいもあるのかもね。だって私の身長じゃ、12歳だなんて誰も信じないもの
- この人は大人として生きるのが嫌だったんだな
- 請求書のない人生が欲しかっただけなんだよ。まあ、気持ちはわかる
サンタカタリーナ州の裁判所によると、6月3日に勾留審問が行われ、裁判所は勾留継続を決定した。
あわせて、精神状態に関する検査も認められたと報じられている。アマンダは詐欺および身分詐称の罪に問われる見通しで、精神鑑定も受ける予定とのこと。
今後は刑事手続きと並行して、責任能力の有無も確認されることになるはずだ。
References: 37-Year-Old Woman Impersonates 12-Year-Old Girl for 14 Months to Deceive Family into Adopting Her[https://www.odditycentral.com/news/37-year-old-woman-impersonates-12-year-old-girl-for-14-months-to-deceive-family-into-adopting-her.html]











