よっしゃ、食べてOK!キバタンは仲間を観察して食べられるかどうかを学ぶ
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 最初に誰かが食べられることを証明してくれたおかげで、見た目からでは決して手を出さないような食べ物も、現代の我々はおいしくいただけているわけだが、それはオウムの世界にも通じるものがあるようだ。

 オーストラリアに暮らすキバタンは、高い知能と豊かな社会性を持つことで知られているが、見慣れない食べ物が、食べても安全かどうかを、仲間から学んでいることが、オーストラリア国立大学の研究でわかった。

 大丈夫だと確認すると自分も食べ始め、その知識が群れの中へ広まっていくという。

 lpの研究成果は『PLOS Biology[https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3003741]』誌(2026年4月30日付)に掲載された。

知らない食べ物、食べられるのか?

 我々人間もそうだが、動物が見たことのない食べ物に出会うと、頭の中でちょっとした葛藤が起きる。

 食べてみて毒だったら命に関わる。でも食べたらおいしいかもしれないし、スルーしたらせっかくの食料を逃してしまう。

 この葛藤を上手に解決する方法の一つが、仲間が食べているかどうかを観察することだ。

  誰かが食べていて平気そうなら自分も食べる、という観察によって学ぶやり方を「社会的学習」と呼ぶ。

 実験室の中ではすでに確かめられてきたが、野生動物が実際にこれをやっているのか、やっているならどう広めているのかは、これまでほとんどわかっていなかった。

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色つきのアーモンドで700羽のキバタンを観察

 オーストラリア国立大学のジュリア・ペンドルフ氏らの研究チームは、シドニー中心部に暮らす700羽以上の野生のキバタンを調べた。

 キバタンは頭に黄色い冠羽を持つ大型の白いオウムで、オーストラリアに棲息する高い社会性と知能を持つ鳥だ。

 研究チームはまず、4羽のキバタンに、青または赤に塗った殻つきのアーモンドを食べるよう訓練した。

 色を塗ったアーモンドは、野生のキバタンがそれまで出会ったことのなさそうな見慣れない食べ物になる。

 その上で、キバタンが集まる5か所のねぐらの近くに餌台を置き、どの鳥が色つきのアーモンドを食べるかを記録していった。

 キバタンは、子育てに使う巣とは別に、夜になると仲間と同じ場所に集まって眠る習性があり、このねぐらが群れの仲間づきあいの拠点になる。

 訓練を受けていないキバタンは、最初は怪しんで近づかなかった。

 ところが食べても大丈夫なことを知っている訓練済みのキバタンがいる巣の近くでは様子が変わった。

 仲間が平気で食べているのを見た他のキバタンは、これは安全だと次々に理解していき、10日後には349羽が色つきアーモンドを食べるようになっていた。

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仲間を見て食べられることを学び、知識が伝搬いていく

 研究チームが集めたデータを統計で分析すると、この新しい食の知識は、ほぼ完全に仲間どうしのつながりを通じて広まっていたことが明らかとなった。

 たまたま同時に思いついたのではなく、誰かを見て学んだ結果で、それが仲間から仲間へと伝わっていったのだ。

 カラパイアでは以前、キバタンの「仲間を見て学ぶ」力をいくつか紹介している。

 2021年、ドイツ・マックス・プランク動物行動研究所の研究では、キバタンの間で、ゴミ箱の蓋の開け方が仲間から仲間に広まり、ゴミ漁り活動が流行した。

 2025年の国際研究では、賢い1羽のキバタンが編み出した、公園の蛇口を足でひねって水を飲む技が、仲間から仲間へと伝わったことが確認された。

 今回の研究は、観察として知られていたキバタンの「仲間から見て学ぶ」力を初めて実験で証明したものになる。 

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学び方は年齢と性別による違いがある

 学び方には、年齢や性別による違いも見つかった。

 オスは他のオスの行動に強く影響を受けた。

 成鳥は幼鳥よりも積極的に仲間から学ぶ傾向が強かった。

 幼鳥は割と警戒心が強く、最も人気のある色のアーモンドが安全だと感じたようで、その色を選ぶ傾向にあった。

 研究チームは、この多数派に合わせる保守的な性質が、人間の幼い子どもにも見られる傾向と重なると指摘している。

 小さな子ほど、まわりのみんなと同じものを選ぶと安心するようで、これは防衛本能の現れなのかもしれない。

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ねぐらごとに生まれる「殻の割り方文化」

 キバタンはアーモンドの殻を割るのにいくつか異なる方法を使っていた。

 研究チームが調べると、親しい仲間どうしほど同じ割り方をしていて、隣り合うねぐらでも割り方が似通っていた。

 同じ群れで暮らすうちにやり方が受け継がれていく、小さな範囲の「文化の違い」が生まれていた。

 ゴミ箱漁りのときも、シドニー北部と中心部でキバタンの開け方に地域差があった。

 仲間から学ぶ力は、知識を広めるだけでなく、群れごとの分かを生み出しているようだ。

 研究チームは、仲間を観察して学ぶキバタンの能力が、人間によって姿を変えられた都市という環境にすばやく適応できる秘密の一つだろうと考えている。

 まあとにかく、キバタンは賢いし、あなどれない存在なのだ。

まとめ

この研究でわかったこと

  • 野生のキバタンが、仲間を観察して新しい食べ物の安全を学ぶことが初めて実験で確かめられた
  • 食の知識も殻の割り方も、群れの仲間のつながりを通じて広まっていた
  • オスは他のオスの行動に強く影響を受ける一方、幼い鳥ほど多数派と同じ選択をする保守的な傾向があった

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References: DOI.10.1371/journal.pbio.3003741[https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3003741] / Wild parrots quickly learn to eat new foods by copying their friends | EurekAlert![https://www.eurekalert.org/news-releases/1125463]

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