アメリカ、アリゾナ州の消防署で、隊員たちが休憩時間の楽しみにしていたバスケットボールを無期限で中止した。
日夜人命救助に尽力する消防隊員たちが自らの娯楽を封印したのにはわけがある。
バスケットボールのゴールネットの網目にハチドリ巣を作り、卵を産んでいたからだ。
卵を熱心に温めているハチドリ母さんのために、隊員たちは快くボールを置き、見守り続けた。
アリゾナ州の消防署に舞い込んだハチドリ母さん
アメリカ南西部にあるアリゾナ州のノースウェスト消防署第338分署の隊員たちは、過酷な任務の合間の休憩時間に、署内のレクリエーションエリアでバスケットボールをプレイしてリラックスする。
しかし最近、ボールが弾む音は署内からすっかり聞こえなくなった。
ところが2026年6月上旬、消防隊員たちがエリアに向かった際、バスケットゴールのネットに見慣れない小さな塊を発見した。
その塊はハチドリの巣だった。巣の近くでは母鳥が行ったり来たりを繰り返していたという。
ハチドリ母さんが数日で完成させた極小の家
ハチドリは、アメリカ大陸の固有種で、南北アメリカ(アラスカからチリまで)に生息している。アリゾナ州にも数種のハチドリが生息している。
ハチドリは類にもよるが、体長はわずか7から13cm、体重は2から6gほどしかない小さな鳥だ。
1秒間に50回から80回という猛スピードで羽ばたき、空中でホバリングしながら花の蜜を吸う。
メスのみが単独で巣作りから抱卵、子育てまですべてを行う。
メスのハチドリは植物の綿毛やクモの糸などを器用に使い、おちょこ程度の小さな巣をわずか数日で素早く完成させる。
ハチドリ母さんがバスケットゴールに作った巣は絶妙な位置にあり、少しでもゴールが揺れると壊れてしまう。
隊員たちは快く、バスケットゴールを母鳥とこれから生まれる家族に譲った。
ノースウェスト消防署の広報担当者、アン=マリー・ブラスウェル氏は、隊員たちは新しい仲間を観察することにワクワクしているという。
ノースウェスト消防署第338分署には室内ジムも併設されている。バスケができなくても、隊員たちは別の場所で体を動かすことができる。
ハチドリの様子を観察するのが新たな楽しみに
巣が発見されてから間もなく、隊員たちは中に極小サイズの卵があるのを確認した。
ハチドリ母さんは、熱心に卵を温め始めた。
隊員たちは、休憩時間の新たな楽しみにバードウォッチングが加わった。
いつ元気なヒナが顔を出すか、毎日見守っているという。
そしてヒナが無事に育つ日まで、隊員たちは親鳥とヒナに必要な空間を喜んで提供し続ける方針だ。
日頃から人間の命を救うプロフェッショナルたちは、小さな鳥の親子の命も等しく尊重し、静かに見守り続けている。
「命を守るということは、時として少し違った形をとることもある」と消防署はFacebookに書き込んだ。「試合は後で再開するよ!」
References: Facebook[https://www.facebook.com/reel/1528879822072494]











