SNSやメッセージで使用したりしなかったりするうんこ絵文字だが、この形状は、物理学的に正確だったことがわかった。
フランスとオランダの物理学者チームが、フランスの浜辺で海岸の泥や砂の中に生息するミミズの仲間、ゴカイのフンを発見したことをきっかけに研究を進めたところ、自然界のフンが重力の法則に従って上にいくほど細くなる渦巻きのような形になることが証明された。
イグノーベル賞候補と言っても過言ではない発見だ。
この研究成果は『Nature Communications[https://www.nature.com/articles/s41467-026-72566-7]』誌(2026年4月28日付)に掲載された。
フランスの浜辺で見つかったゴカイのフン
オランダのアムステルダム大学でソフトマター物理学(柔らかい物質の物理的性質を研究する分野)を専門とするダニエル・ボン博士は、フランスの浜辺を散歩中に砂浜に渦巻いた砂の塊が点在しているのを見つけた。
それは、海岸の砂や泥の中に生息するミミズの仲間、ゴカイの一種ラグワーム(Arenicola marina)のフンだった。
ラグワームは、日本では釣りの餌として使用されるタマシキゴカイ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%82%B4%E3%82%AB%E3%82%A4]に近い仲間で、ヨーロッパの海岸に生息している。
ほとんどの動物は下向きにフンをするため、フンが地面に落ちて渦巻き状に積み重なっていき、高くなるにつれてだんだん小さくなっていく。
その結果、下が広く上にいくほど細くなるうんこ絵文字のような形が生まれる。
ところがラグワームのラグワームはフンを上向きに出していたため、渦巻きの大きさが一定のまま均一に積み重なっていた。
重力に逆らって上向きに積み重なる謎
ラグワームは砂の中にU字型の巣穴を掘って生活しており、尾部を砂の外に出して上向きにフンを押し出していた。
ダーウィンは1881年の著作の中で、ワームの仲間は巣穴の傾斜に応じて上向きか下向きにフンをすると報告していたが、フンの形が生まれる正確なメカニズムはよく理解されていなかった。
ボン博士は、そのメカニズムを解明すべく、ワーヘニンゲン大学のメフディ・ハビビ博士、フランス国立科学研究センターのニール・リブ博士とともに、上向きにフンを押し出すラグワームの研究を開始した。
フンの形を決めるのは筋肉ではなく重力だった
研究チームはラグワームのフンを採取して力学的な特性を分析し、エンドウ豆の生地を押し出す実験でフンの形を再現した。
落下距離、押し出す速さ、渦巻きの半径など様々な条件を変えながら検証した結果、ラグワームが筋肉で押し出す力や速さはフンの形にほとんど影響しないことがわかった。
フンの形を決めていたのは、生き物の筋肉ではなく重力だったのだ。
うんこ絵文字は物理法則を正確に表現していた。
実験で明らかになったのは、あらゆるフンの形が「弾性ロープの渦巻き理論」に従っているということだ。
弾性ロープの渦巻き理論とは、ロープや麺など細長くて弾力のある素材が落下・押し出されるときに渦巻き状になる現象を数学的に説明する理論で、蜂蜜をスプーンからゆっくり皿に垂らすと渦を巻くのも同じ理屈による。
研究チームは、うんこ絵文字の形は「重力場における弾性的な渦巻きを支配する物理法則の直接的な結果」だと論文に記している。
フンがあの形になるのは生物が進化の過程でそうなったからではなく、地球上の物理現象が必然的に生み出した形だ。
ボン博士は「私たちの周りには多くの美しさがあり、物理学によって美しい構造が生まれることが非常に多い。これはその一例だ」と語っている。
研究チームは2つ目のうんこ絵文字をデザインし、ユニコード・コンソーシアムに正式に提案する予定だそうだ。
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References: DOI : 10.1038/s41467-026-72566-7[https://www.nature.com/articles/s41467-026-72566-7] / PHYS[https://phys.org/news/2026-06-poo-emoji-earthworm-pasta-obey.html]











