2026年6月24日、カナダ・アルバータ州で犬の散歩をしていた女性が、ハイイログマ(グリズリー)と遭遇し、間一髪で無事に逃げ延びた。
ネットに投稿された動画には、女性がクマに追いかけられながら、自身と飼い犬を守ろうとする緊迫した瞬間が捉えられている。
女性はクマを威嚇しながら、冷静に対処。最終的にクマは森へと帰っていき、女性も犬も怪我ひとつなく無事に避難できたそうだ。
愛犬の散歩中にハイイログマに遭遇
何はともあれ、まずはその緊迫したシーンを実際に見てもらおう。
この女性はジェシー・オークスさんといい、愛犬のダッチ・シェパード「スコーキー」にリードをつけ、朝のコーヒーを片手に散歩をしていたのだという。
映像は彼女の愛犬が、森の中の道を後ろから近づいて来る、ハイイログマ(グリスリー)を気にする様子から始まっている。
犬が何度も振り返ってクマを見るたびに、さんは「ノー! あっちへ行って!」と声をかけ、唸るような野太い声を出してクマを追い払おうとしていた。
ジェシーさんは手に持っていたコーヒーのマグをクマに向かって投げつけた。一瞬、クマは動きを緩めたように見えたが、突然スピードを上げて女性と犬に向かって突進してきた。
ジェシーさんはクマを睨みつけながら、クマがそれ以上近づかないよう、必死に「ダメ!」「あっちへ行け!」と大声で威嚇し続けた。
クマは後ろ足で立ち上がり、再びスコーキーに向かって突進してくる。その度にジェシーさんが大声で威嚇し、クマは少し離れてまた立ち上がる。
永遠とも思える時間が過ぎた後、クマはようやく向きを変えて、近くの森の中へと入っていった。
ジェシーさんはこのチャンスを逃さなかった。
彼女は近くのグランピング用テントに避難し、安全を確保したそうだ。クマはその後、森に帰っていったという。
女性は以前にも同じクマに遭遇していた
この事案が発生したのは6月24日の朝6時ごろ。場所はアルバータ州にあるスプレー・バレー州立公園内の、マウント・エンガディン・ロッジ[https://mountengadine.com/]周辺だそうだ。
実はジェシーさんは以前にもこのクマと遭遇したことがあり、その時は問題はなかったという。しかし今回は、極めて危険な状況に陥ってしまった。
今日は絶対に犬を失うわけにはいきませんでした。あのクマに犬を襲わせるわけにはいきませんでした
アルバータ州を拠点とする野生動物安全コンサルタントで、Bear Safety & More Inc. の創設者兼代表キム・ティッチナーさんは、今回の遭遇について次のように語ってる。
私が思うに、このクマは犬を食べ物として認識していた可能性があります
また、ジェシーさんの対応については、犬をリードにつないだまま行動したことを評価する一方、撮影よりもクマへの対応を優先すべきだったと指摘した。
その場を離れるのではなく、踏みとどまってクマを追い払おうとした方がよかったでしょう。
同時に、スマホで撮影しながら極めて危険な状況に対処しようとしたのは、望ましいことではありませんでした
この動画はインターネット上で拡散し、多くの視聴者に衝撃を与えた。
- あれは若いクマだった。
もし成獣だったら、彼女はあそこまで運が良くなかったかもしれない
- 運よく母グマが近くにいなかったしね
- ああ、いたらまったく別の動画になっていたかもしれないな
- うわああ!見てるだけで心臓バクバクだよ。あの女性は本当によくやった。クマや、攻撃する気を見せている捕食者から背中を向けちゃダメだ。あのクマは犬を狙っていたよね
- あれは威嚇の突進だよ。このハイイログマは彼女を食べようとしていたわけじゃなくて、とにかくその場から出て行ってほしかっただけだ。彼女が落ち着いていたのはよかった
- 毎年、アラスカで亡くなる観光客の何人かも同じことを言うんだよな。君は何を言ってるのかわかってない。無知の極みだよ
- 私はカナディアン・ロッキーでクマと共に暮らしている。ついこの前も庭に2頭のグリズリーが来たよ。このクマは獲物を狩ろうとしていたわけじゃない。でも非常に危険な状態だった。あれは「ここから離れろ」という警告なんだ
- クマが避けられるよう、トレイルでは音を立てるべきだ。
クマによる攻撃のほとんどは防衛行動なんだから- 自分なら頭では走っちゃダメだってわかってても、足は自分の意思とは関係なく勝手に走り出してたと思う。彼女、本当に肝が据わってる
- 彼女は「獲物でも食べ物でもない」と、自信たっぷりに振る舞っていた。その落ち着きが犬にも伝わっていたんだろう。本当にすごい
- グリズリーの生息地では、撃退スプレーか強力な拳銃を持つべきだ。オスは人間なんてまったく怖がらないし、立ち去るのは「楽に食える相手じゃないし、面倒だからやめておくか」と判断した時だけだ
- この場合、クマ撃退スプレーはいい選択じゃない。普通は逆に命取りになる。あれはアメリカグマ用だ。ハイイログマは別の種類の動物なんだ
- こういう動画って理解できない。もし自分がこんな状況になったら、動画を撮ることなんて一番どうでもいいことだよ
- もし自分が助からなかった場合、何が起きたのか人々に知ってもらえるよう、動画を残したかったんだろう
- 自分なら絶対に最後まで撮影しようとは思わないな。生き残るという本能より、まず撮影しようとするのが自然な反応になっている時代なんだね
- 犬が一度も吠えてないのがすごい。どう育てたらあんなに静かな犬になるんだ? うちの犬なら大騒ぎしてたよ!
- 彼女の態度や話し方を聞いただろ? きちんとしつけされてんだよ。
カナダではハイイログマによる実際の被害も発生
現場となった場所はカナディアン・ロッキーの一角に位置し、北米有数のハイイログマの生息地として知られており、当局はここを訪れるハイカーやキャンパーに対し、クマ撃退スプレーの携行を推奨[https://parks.canada.ca/pn-np/mtn/ours-bears/securite-safety/ours-humains-bears-people]している。
マウント・エンガディン・ロッジでは、5月にも敷地内にハイイログマが姿を見せ、宿泊客が見守る中、ブランコで遊んだり体をこすりつけたりしていたという。
ほのぼのと遊んでいるだけなら微笑ましいが、地元ではクマの目撃によるトレイルの閉鎖や警告は珍しくなく、実際にハイイログマによる被害も発生している。
2023年9月には近隣のバンフ国立公園で、キャンパー夫妻と愛犬がグリズリーに襲われ死亡[https://news.livedoor.com/article/detail/25122433/]する事故も起きているそうだ。
また、2025年10月、ブリティッシュコロンビア州のマクレガー山で、子連れのグリズリーに遭遇したハイカー2人が重傷を負った。調査の結果、防御行動による攻撃と判断され、熊は処分されなかった。
同年11月には、同州ベラクーラで、野外活動中の児童と教師のグループがハイイログマに襲われ[https://news.yahoo.co.jp/articles/62d13209445bc32916d4563fe3dc2eeadbbc5294]、11人が負傷する事故も起きている。
一連のクマによる襲撃事件を受けて、ブリティッシュコロンビア州の野生動物管理当局は、「新鮮な足跡、糞、動物の死骸がある場所」など、クマの生息地を避けるよう呼びかけている。
今回の事案はアルバータ州当局も把握しており、同日付でマウント・シャーク・ロード、マウント・エンガディン・ロッジ、ランメル・レイク・トレイルを対象に公式の警告[https://www.albertaparks.ca/parks/kananaskis/spray-valley-pp/information-facilities/special-facilities/mount-engadine-lodge/]を出している。
この警告では、ハイイログマが「リードにつながれた犬に執着する行動」を見せて繰り返し接近し、なんと最大で約1m以内まで近づいたとしている。
幸いなことに、ジェシーさんにも愛犬のスコーキーも無事に避難することができ、特にケガなどもなかったそうだ。
References: Woman, Her Pet Dog Narrowly Escape Grizzly Bear Encounter In Canada's Alberta, Video Viral[https://www.ndtv.com/offbeat/woman-her-pet-dog-narrowly-escape-grizzly-bear-encounter-in-canadas-alberta-video-viral-11693874]











