20mの翼で飛んだ! 世界最大の紙飛行機がギネス記録に認定される 
Image credit: UNIPI

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 材料は紙と接着剤だけ。翼幅20.04m、重さ約30kgの巨大紙飛行機が飛んだ。

作ったのはイタリア・ピサ大学の学生たちだ。

 2026年6月、観衆が固唾をのんで見守る中、メガサイズの紙飛行機がおよそ59m滑空し、世界最大の紙飛行機としてギネス世界記録に認定された。

 始まりは工学部の学生たちの講義の合間の遊びだった。そこから生まれたプロジェクトが、ドイツの研究機関が2013年から13年間守り続けてきた記録を塗り替えたのだ。

紙と接着剤だけで作った巨大な飛行機

 今回イタリア・ピサ大学の学生たちが作った紙飛行機は途方もない大きさだ。翼幅20.04m、全長7m、重さ約30kgもある。

 材料は紙と接着剤のみ。紙は南アフリカを拠点とする世界的紙パルプメーカーSappi(サッピ)社提供のもの。組み立てにはイタリアの代表的な接着剤メーカーVinavil(ヴィナヴィル)社提供の専用接着剤「Vinavil Pro(ヴィナヴィル・プロ)」を使用した。

 このシンプルな材料から完成した大きな機体が、2026年6月25日、イタリア・ボローニャの巨大な倉庫に一世一代の飛行のために姿を見せた。

 ギネス世界記録の公式認定員、ロレンツォ・ヴェルトリ氏の立ち合いのもと、挑戦の瞬間が訪れようとしていた。

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神話の名を継いだ試作機たち

 プロジェクトを率いたのは、ピサ大学工学部の学生であるフィリッポ・デ・パオリ、ロレンツォ・チオリ、エマヌエーレ・カンピノーティ氏だ。

 最終的な機体とプロジェクト名は「イカロス(ICARUS)」という。ギリシャ神話で、蝋を固めた翼で空を飛ぼうとした人物名にちなんだ。

 これまでの試作も神話がルーツだった。試作第一号は、人類に火と技術を授けた巨神「プロメテウス」、次に作った全長8mの試作機にはイカロスの父であり、蝋の翼を作った職人の名にちなみ「ダイダロス」と名付けた。

 残念ながらダイダロスも試作で終わってしまったが、学生たちはそこで得た教訓を生かし、宙を滑るように飛ぶ機体作りに成功した。そして最後にたどり着いたのが、この本番機イカロスだ。

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遊びが本物の航空工学へと変化

 学生たちは、最初から世界記録を狙っていたわけではない。授業の合間に飛ばしていた紙飛行機がすべての始まりだったという。

 半ば冗談みたいなものだったが、彼ら全員が、たった一枚の紙でも理論通りなら充分に飛ぶと信じていた。

 こうして始まった取り組みは、次第にガチな設計へと形を変えた。

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 機体内部には、翼を支える骨組み、翼の縁を形作る部材、さらに後方には尾翼も組み込まれ、本物の航空機さながらの構造を再現した。

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 軽さと強度を両立させるため、紙を何層にも重ねてハニカム構造(蜂の巣のように六角形を並べた軽量で丈夫な構造)に仕立てる工夫も加えた。

 使用した紙の総量はおよそ300kg、接着剤は60kgにのぼる。途中からイタリアの科学系クリエイターJakidale氏が制作支援に加わり、設計から発進までの過程を映像で記録した。

 完成までの道のりは決して平坦ではなかった。

巨大な機体は、少し動かすだけでも一苦労の大きさだ。組み立て後も構造テストを重ね、機体の吊り上げやバランス調整、おもりの配置を一つひとつ積み重ねていった。

 なにしろ本番で挑戦できるのは一度きり。数ヶ月にわたる準備の集大成として、学生たちはこれまでにない緊張の中で発進の時を迎えた。

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ギネス世界記録認定に飛行距離15mの壁

 ギネス世界記録の認定には、機体の大きさだけでなく、きちんと飛ぶ証明が必要だった。

 飛行距離にも規定があり、少なくとも15m以上という条件があった。こうした規定は当然ながら、飛ばなければ飛行機とは呼べない、という考えに基づいている。

 発進用に高さ約3mのプラットフォームも設置。安全な手すりや、機体を水平に保つための光学的な位置合わせシステムも用意した。

発進から着地まで 新記録が生まれた瞬間

 数十人がかりでプラットフォームまで持ち上げられた紙飛行機は、チームを率いた3人の1人が最後に支え、ロレンツォ氏の合図で助走し発進させる、という手順だった。

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 そしていざ、押し出された機体は空中にふわりと飛び出した。

 すぐ落ちるどころか、巨鳥の滑空のように軽く、重力を感じさせない優雅な飛行に会場は熱狂。大歓声が巻き起こった。

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 基準の15mをあっさり超えて、余裕で飛び続ける飛行機。観衆たちもその行く先にくぎ付けだ。即座に駆け出し、後を追う学生たちも興奮を隠せない。

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 機体はその後、徐々に右寄りに高度を下げて、最後にふわりと着地した。航路が若干曲がってしまったせいか、左の翼の先が柱にぶつかるシーンもあった。

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 結果、飛行距離はおよそ59mと、基準の4倍ほどの快挙だ。

 この飛行により、ドイツのブラウンシュヴァイク工科大学(Braunschweig Institute of Technology)が2013年から保持していた、紙飛行機の翼幅18.21mを大きく上回る新記録が認められた。

 学生たちは、長年破られなかったドイツの記録をイタリアが破った!と大喜び。

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 見た目と予想をはるかに超えて、倉庫の端まで届きそうな飛び方だったが、実際もっと工夫をすれば、さらに距離が伸びそうだ。

 発進から着地までの様子は、Jakidale氏が2026年6月30日に公開した下の動画から。視聴数すでに18万回超とすごい人気だ。

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6月24日公開のメイキングはこちら。

この動画も大人気で視聴数24万回超え。

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 遊びから始まったガチなプロジェクトの大成功は、ピサ大学も誇らしげに発表しており、メイキング動画と一緒にたくさんの視聴者を楽しませているようだよ。

References: Guinness World Record per gli studenti di Unipi con l'aeroplano di carta più grande del mondo[https://www.unipi.it/news/studenti-unpi-guinness-world-record-aereo-carta/]

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